. ページ48
康二side
“____もう！あんたはなんでいつも邪魔ばっかりするんよ！！”
？「…ぅじ、…」
“そんなこともできひんの。あんたはほんまにあかん子やな”
？「…じ、こー、」
“引っ付かんといて！邪魔や！1人で遊んどき！！”
？「康二っ！！」
「っはぁ！！は、は、」
亮「康二！大丈夫！？」
「りょ、ちゃん、」
亮「すっごいうなされてたよ、体調悪い？」
「……ううん、なんか嫌な夢見た気がするわ。汗すごいな」
亮「シャワー浴びてきな、まだ時間あるし」
「おん、そうする。起こしてくれてありがとう」
亮「うん」
パッと目を開けば、1番に入ってきたのは亮ちゃんの心配そうな顔。
その目が痛くてお風呂場に逃げ込めば、蘇るのは過去の記憶。
ママとの、唯一の記憶。
翔「うお、誰？ごめん」
「あ、ごめん、翔太くん入ってええよ」
翔「康二か。顔だけ洗わせて〜…ってうわ、お前汗だくじゃん」
「嫌な夢見ただけやで。笑 内容も覚えてないけどな！」
翔「そ。あ、この後ケーキ取りに行くけど、来る？」
「いく！」
そうや、今日は大事な弟の誕生日。
まだ冷たいまんまのシャワーを頭から被って、記憶を消す。
みんなが笑顔になれる日に泣いたりなんかしたくない。
照「今から蓮と買い物行くけど、翔太たちも乗ってく？」
翔「あー、どうする？」
「歩ける距離やし大丈夫やと思う！蓮、楽しんできてな！」
蓮「うんっ！涼太くん、夕飯楽しみにしてるね」
涼「ふふっ、うん」
亮「いってらっしゃい」
蓮「行ってきまーす！」
パパに引っ付いて元気よく出て行った姿はまるで末っ子。
最近は甘えることも随分と減ったけど、やっぱり弟は弟やねんな。
亮「俺と真都と大ちゃんは飾り付け。涼太くんとたつくんは買い出し、康二と翔太くんはケーキね」
大「あいあいさー！」
真「さー！」
辰「康二、車気をつけろよ」
「おん！はよ行こ！」
翔「ん。すぐ戻るから」
涼「父さん、行くよ」
辰「はいよ。んじゃ亮平、2人を頼んだ。怪我すんなよ」
亮「任せて」
大「およ？俺の方が年上なんだけど…」
亮「気を付けてね、“今年最後の雪”が降るかもしれないってさ」
雪はほとんど溶けたけど、外はまだ随分と寒い世界。
ん、と差し出された手を握れば、翔太くんは俺の小さな手で暖を取る。
「ふはっ冷たいなぁ」
翔「お前まじカイロみたい」
ひんやり冷たい手。母親の手とよく似てる。
だけど、あの手よりもずっと心地よかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1344人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鯱(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです！ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (9月7日 16時) (
レス) @page47 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 初めてコメント失礼致します。主様の作品全部好きでいつも見てますが、特にこの作品が好きです。家族のお話って年齢設定だったり関係性を書くのがとても大変だと思いますがいつも温かい家庭を見せてくださりありがとうございます。これからものんびり書いてくださいね。 (8月28日 17時) (レス) id: 25bcef5482 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - naruyuki0501さん» ありがとうございます。自分なりに何度も何度も書き直しながら書いてるのでゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月14日 18時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
naruyuki0501(プロフ) - いつも、少しずつみてます。自分も色々悩んでるので読んでで支えになります。救われてます。体調に気を付けて、更新していってください。 (2023年3月14日 15時) (レス) @page16 id: ddb2e6c93f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯱 | 作成日時：2023年2月28日 8時
