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大介side
「…松村さん、田中さん」
名前を呼べば、振り返る2人。
お巡りさんの格好をした2人は、照さんと辰哉さんに挟まれた俺の頭をふわりと撫でた。
田「俺らいつでもここにいるから。またなんかあったらいつでも相談しに来い」
松「大介くん、お大事にね。しばらくパトロールで厳重警戒しとくから、何かあったら連絡してね」
初めて交番に駆け込んだのは、あの男の家を飛び出した日だった。
あの日は確か、ものすごく寒い日で。
こわくて、こわくて。
お腹が空いて仕方がなくて。
あの男がいない時間に、ベランダの窓から飛び出した。
当時の家は2階にあって。
小さな体でベランダから飛び降りた。
裸足のまま。
血が滲んで、冷たいアスファルトの上を走るのが痛くて。
『たす、けて、』
ぜぇぜぇと息を切らしながら、助けを求めて走ったんだ。
このまま行けば、誰かが助けてくれると信じて。
お願い、母ちゃん。
俺に勇気をちょうだい。
あいつのそばを離れて、1人で生きる勇気を。
そう願いながら、車が行き交う大通りに飛び出したんだ。
ｷｷｨ、と大きな音を立てて、目の前で止まった車。
バタン、と出てきたのは地域のヒーローだった。
『…たす、けてくださ、』
まだ小さかった俺。安心感からぺたりと座り込んで、焦ったように俺に目線を合わせたのは、田中さんだった。
田『大丈夫！？君名前は！？……おい！ちょ、北斗！！』
ぐらり、と揺れる視界。
まともに受け答えもできず、わんわんと泣く俺をパトカーの中に入れてくれて。
そのまま近くの交番まで連れて行ってくれた。
靴も履かず、血だらけの足。
田中さんと松村さんはすぐに動いてくれて、あの男は捕まって。
俺の手当てをして、受け入れてくれる施設を探してくれた。
その日からずっと、俺のヒーローは2人だった。
……ああ、そうだ。
あの日も、今日のような雪の日だった。
確か初雪で、積もることはなかったけど、世界で1番暖かい雪の日だった。
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鯱(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです！ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (9月7日 16時) (
レス) @page47 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 初めてコメント失礼致します。主様の作品全部好きでいつも見てますが、特にこの作品が好きです。家族のお話って年齢設定だったり関係性を書くのがとても大変だと思いますがいつも温かい家庭を見せてくださりありがとうございます。これからものんびり書いてくださいね。 (8月28日 17時) (レス) id: 25bcef5482 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - naruyuki0501さん» ありがとうございます。自分なりに何度も何度も書き直しながら書いてるのでゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月14日 18時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
naruyuki0501(プロフ) - いつも、少しずつみてます。自分も色々悩んでるので読んでで支えになります。救われてます。体調に気を付けて、更新していってください。 (2023年3月14日 15時) (レス) @page16 id: ddb2e6c93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年2月28日 8時
