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大介side
「…んま、涼太、これ美味しい」
涼「ほんと？よかった」
「大変だったでしょ、ありがと」
涼「ううん、楽しかったよ。特別だし。運動会のお弁当って」
“だい、ごめんね”
小学校の運動会のお昼は、いつも先生と保健室で過ごしていた。母ちゃんは必死に休みを取ろうとしてくれたけど、やっぱりいつも忙しそうだった。それに、昔はもっと肌が弱かったから、毎年毎年真っ赤になる肌が痛くて痛くて。外で食べるなんてことできなくて。本当は、同級生が家族と広げるお弁当が羨ましかった。
「…んふ、なんか、いいね」
亮「何が？」
「母ちゃん、忙しくて一度も見に来たことなくてさ。それに、外にいたら熱中症になることも多くて。だから、こーやって、誰かと外でお弁当食べるの初めて」
楽しい、そう呟けば、辰哉さんはふにゃりと笑う。
翔「な？来てよかっただろ？」
「…んふ、うん」
照「遠慮せず言えよ？これからは、やりたいことも、わがままも。全部は叶えてやれないけどさ」
「ん、ありがと、照さん」
午後の部が始まり、まだ容赦なく照りつける太陽を避けるように日陰に座り込む。確か、1番暑いのって14時ごろなんだっけ。学校で言ってた気がする。それに、日陰にいたって紫外線を遮断できるわけじゃない。地面から跳ね返ったものにも弱いから、油断できなくて。…ちょっと疲れた、かも。
午前中俺に付いててくれた2人は、今辰哉さんたちと前の方で見てるはず。もうすぐ康二の徒競走が始まるから、先行っててって言ったんだよね。
「…ふぅ、」
人気のない日陰のところまで移動してきたのはいいものの、この辺に水道はなさそう。どうしよ、ほんと痛い。冷やしたい。もう、何でこんなに肌弱いの。
「……ごめんね、こーじくん」
ちゃんと見るって約束したのに。約束破るとか、サイテーだよね。
遠くで聞こえる、スタートを告げるピストルの音。もう徒競走は始まってしまったみたいで、今から辰哉さんたちの居場所を特定するなんて無理。160しかない身長のせいで俺は多分埋もれるし、日向に出るなんて今はしたくない。とりあえずここでじっとしてたい。
そう思って小さくしゃがみ込み、膝に顔をうずめる。なるべく紫外線に当たらないように。
俺がこんなになってたら、みんな迷惑だよね。だからお願い、これ以上悪化しないで。
そう願いながらぎゅっとさらに身を守るように小さくなれば、突然ふわりと優しい匂いがした。
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鯱(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです！ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (9月7日 16時) (
レス) @page47 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 初めてコメント失礼致します。主様の作品全部好きでいつも見てますが、特にこの作品が好きです。家族のお話って年齢設定だったり関係性を書くのがとても大変だと思いますがいつも温かい家庭を見せてくださりありがとうございます。これからものんびり書いてくださいね。 (8月28日 17時) (レス) id: 25bcef5482 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - naruyuki0501さん» ありがとうございます。自分なりに何度も何度も書き直しながら書いてるのでゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月14日 18時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
naruyuki0501(プロフ) - いつも、少しずつみてます。自分も色々悩んでるので読んでで支えになります。救われてます。体調に気を付けて、更新していってください。 (2023年3月14日 15時) (レス) @page16 id: ddb2e6c93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年2月28日 8時
