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翔太side
「っさくま！！」
先「コラ！！深澤！佐久間！廊下を走るんじゃない！！」
現在、校内鬼ごっこ中。
おそらく鬼は俺。すれ違う生徒たちは俺たち2人を不思議そうに見ていた。
涼「っうわ、」
大「ぶ、」
「あ、」
曲がり角をタイミングよく曲がった涼太。そんな涼太の胸に飛び込む形でぶつかった大介。2人はそのまま倒れ込む。
涼「いった…って、は？佐久間？」
大「ごっ、ごめん涼太！！」
「はあっ、ナイス」
涼「いや、え？状況が飲み込めないんだけど」
友「なあ、今日は佐久間来てたんだな」
「は？え、どこで見たの！？」
事の始まりは、登校してきたクラスメイトが佐久間を校内で見かけた事だった。どこにいたのか問い詰めれば、目の前の同級生は驚きながらも職員室に入っていくのを見た、と答えた。
俺は教室を飛び出して、職員室の前まで走る。大介はそこに本当に存在していて。久しぶりに見た彼は随分と痩せてしまっていた。
「だい！！」
びくり、と肩を震わせて俺の方を見た大介。目と目が合ったその瞬間、なぜか俺とは反対の方向に走り出したのだ。
「なっ、、おい！！」
足には自信があった俺。ただ、体力はそこまででもないから、足が遅くとも体力だけはある佐久間にはなかなか追いつけなかった。
で、冒頭に戻る。
「お前、逃げ足はえーのな」
涼「あーもう、大介手ちゃんと出してってば」
ボロボロの大介の手に保湿クリームを塗る涼太。何も喋らない大介。俺らは1時間目をサボって空き教室を占領していた。
「…で、何受け取ってたわけ？」
大「…」
「まあいいや。お前、大丈夫？痛いこととかされてない？」
涼「ちゃんとご飯食べてる？眠れてる？」
大「…んふ、何から答えればいいかわかんないよ、」
緩く、小さく笑う。その姿が儚くて。
俺も涼太も無意識に大介を抱きしめていた。
大「んわ、モテモテだぁ」
涼「そーだよ。みんな大介が好きなんだよ」
「俺らの愛受け取っとけ」
何も話さないのは、きっと大介なりに俺らを守るため。手がボロボロなのも、こんなにも痩せてしまったのも、全部俺らを守り、自分を守ったからだ。
ごめんね、どうかもう少しだけ耐えて。
ちゃんと迎えに行く。今度は8人で抱きしめてあげる。
だからさ、その“紙”にはサインしないで。
3人でこの学校通って、ちゃんと3年で卒業しよう。
そんでこれからも、一緒にいようよ。
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鯱(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです！ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (9月7日 16時) (
レス) @page47 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 初めてコメント失礼致します。主様の作品全部好きでいつも見てますが、特にこの作品が好きです。家族のお話って年齢設定だったり関係性を書くのがとても大変だと思いますがいつも温かい家庭を見せてくださりありがとうございます。これからものんびり書いてくださいね。 (8月28日 17時) (レス) id: 25bcef5482 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - naruyuki0501さん» ありがとうございます。自分なりに何度も何度も書き直しながら書いてるのでゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月14日 18時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
naruyuki0501(プロフ) - いつも、少しずつみてます。自分も色々悩んでるので読んでで支えになります。救われてます。体調に気を付けて、更新していってください。 (2023年3月14日 15時) (レス) @page16 id: ddb2e6c93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年2月28日 8時
