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亮平side
ぽっかりと空いたままの席。少し前までは8人で囲む食卓が当たり前だったのに、大ちゃんがいる生活が馴染みすぎて8人の空間に違和感が残る。
あの日、あの男とたつくんの過去を聞いた。
ボロボロと泣きながら話すたつくんと、それを悔しそうに聞く翔太くんと涼太くん。真都くんですら初めて知るその話は、まだ未熟な僕らにとって、耳を塞いで “もういいよ、やめて” って言いたくなるほどには残酷なものだった。
笑わなくなったたつくんと翔太くん。目を潤ませながらも下手くそに笑う康二と真都。蓮は喋らなくなった。
涼「ご飯できたよ」
涼太くんは一見、いつも通りに見える。
でもね、翔太くんが教えてくれた。涼太くんは感情を表に出すのが苦手なんだって。いつも通りに振る舞ってるだけなんだって。
照「亮平」
「ん？」
パパは何も言わずに俺をギュッと抱きしめた。
パパは泣かない。一度だって涙を流すところを見たことがない。たつくんはパパの前で泣いていたし、弟たちはよくボロボロと泣き出す。翔太くんと涼太くんは、隠れて泣いていたのを見たことがある。
パパは泣かない。だから俺も、なんてちょっと背伸びして強がってはみたけど、パパに抱きしめられたら自然と視界が歪む。
照「…我慢すんな。泣いていいんだよ」
「……パパは泣かないくせに、」
照「パパだって本当は泣きたいけど、大介を抱きしめてから泣くって決めてるから。だから今は俺の分まで亮平が泣いてよ」
ポンポンと優しく頭を撫でてくれたその手が小さく震えてることに気づく。上手に泣けないのはパパに似たんだね、俺。
「…さ、みしい、」
照「うん」
「だいちゃんにあいたい、」
照「…うん、」
「う、あ、」
ボロボロと泣き出す俺を、パパは強く抱きしめた。ごめんって謝られてるみたいで、それが嫌で。
誰も悪くない。あの男だけが悪いのに。
何で大ちゃんなの。
なんで、たつくんだったの。
どうして、どうして。
そんなこと考えたって答えが見つかるわけもなく。
ただ、どこにぶつけたらいいのか分からない思いをパパにぶつけることしかできなかった。
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鯱(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです！ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (9月7日 16時) (
レス) @page47 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 初めてコメント失礼致します。主様の作品全部好きでいつも見てますが、特にこの作品が好きです。家族のお話って年齢設定だったり関係性を書くのがとても大変だと思いますがいつも温かい家庭を見せてくださりありがとうございます。これからものんびり書いてくださいね。 (8月28日 17時) (レス) id: 25bcef5482 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - naruyuki0501さん» ありがとうございます。自分なりに何度も何度も書き直しながら書いてるのでゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月14日 18時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
naruyuki0501(プロフ) - いつも、少しずつみてます。自分も色々悩んでるので読んでで支えになります。救われてます。体調に気を付けて、更新していってください。 (2023年3月14日 15時) (レス) @page16 id: ddb2e6c93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年2月28日 8時
