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大介side
あの話をされてからひと月が経った。特に変化のない日常。でも俺は日に日に警戒心を増していく。
真「…大ちゃん？」
「ん？」
真「なんでキョロキョロしてるの？」
「ん〜？ふふっ、なんでもないよ」
何度も何度もみんなからどうしたんだと聞かれる日々。それでも頑なに答えないのは、みんなに変な不安を与えないため。変なの、と不思議そうに言う真都くん。それでもいいの。みんなが無事ならさ。
その生活に慣れてきたころ、亮平がグッと俺の腕を掴んで不安そうな顔を浮かべる。今までのらりくらりと逃げてきた俺を逃さないとでも言いたげなその顔に、また嘘つきの口を開く。
「どした？」
亮「大ちゃん」
「なーに、りょーへい」
亮「大ちゃん、何を抱えてるの？」
「なぁんも抱えてないってば。みんなして心配しなくてもだいじょーぶ」
亮「大丈夫に見えないから言ってるんだよ」
「ええ」
亮「大ちゃんってば」
「亮平」
亮「な、なに？」
「大丈夫。俺、大丈夫だよ。信じて」
ふわりと笑う。母さんのように、辰哉さんのように。亮平はそんな俺を驚いたように、でも不安さを拭いきれてない目で見ていた。
ごめんね、今は何も起きてないから言えないの。
そんな顔させたかったわけじゃないのに、みんなには笑っていてほしいのに。
ちゃんと気づいてるよ。心配してくれてるんだってわかってる。辰哉さんも照さんも、はっきりとは言ってこないけれど気にしてくれてるのちゃんと気づいてる。翔太も涼太も学校でも家でもいつも俺を気にしてくれてる。蓮や真都だって俺がソワソワしてるの知ってるし、康二はいつもそんな俺を見て泣きそうな顔をするの、ちゃんと知ってる。
職『…大介くん、しばらくここには来ないほうがいい』
「…へ、」
職『来る頻度が上がってる。ご家族も施設には近づかないようにしてほしい。いつ鉢合わせてもおかしくない』
「……ごめんなさい」
職『大介くんは謝る必要ないよ。安心して？居場所は絶対に言わないから。その代わり1人にならないって約束して？』
「はい」
じゃあね、と切られる電話。ここから施設までは数駅しか変わらない。高校までは電車を使わないけど、もう近くまで迫ってきている。
どうにかみんなを守りたい。あの人がどうなっているのか、何が目的で俺に近づいているのか分からないけど、もう二度と関わりたくなんかない。
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鯱(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです！ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (9月7日 16時) (
レス) @page47 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 初めてコメント失礼致します。主様の作品全部好きでいつも見てますが、特にこの作品が好きです。家族のお話って年齢設定だったり関係性を書くのがとても大変だと思いますがいつも温かい家庭を見せてくださりありがとうございます。これからものんびり書いてくださいね。 (8月28日 17時) (レス) id: 25bcef5482 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - naruyuki0501さん» ありがとうございます。自分なりに何度も何度も書き直しながら書いてるのでゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月14日 18時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
naruyuki0501(プロフ) - いつも、少しずつみてます。自分も色々悩んでるので読んでで支えになります。救われてます。体調に気を付けて、更新していってください。 (2023年3月14日 15時) (レス) @page16 id: ddb2e6c93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年2月28日 8時
