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撮影も終わり、次の仕事がある人は別の現場へ向かったりと、挨拶もそこそこにそれぞれ散っていった。あの後、俺に起こされた光くんは、残りの仕事をキャンセルし帰る事になった。薬は飲んだというものの、症状はどうも変わらないみたいでぐったりしてるから、無理をさせて悪化してはいけないとマネージャーさんも判断したようだった。
「大丈夫?」
「ん…」
「良かったら家まで送るよ?」
「え…ゆーと仕事はぁ?」
「俺は今日これだけ」
「あ…そーなんだぁ…」
楽屋はすでにもぬけの殻で、俺と光くん以外は出てしまっている。熱にやられて働かない頭でどうしようか考えているのだろう。壁に凭れて座りながら、光くんは自分の手元に視線を移した。
マネージャーさんもいるのだから、俺が家まで付き添う必要がないのは分かっている。俺が出した提案は、自分がただ傍にいたいっていうのと、勿論心配なのと。あとは単純に、光くんの家に行きたいから出したものだった。
「どうする?」
「えっと…」
自分の指をもぞもぞと触っていた光くんがふと顔を上げる。高い位置にある俺の顔をただぼーっと見つめてくる光くんは、どこか困ったような表情をしていて。横の壁に頭を預け上目で見上げる大きな瞳に、下心が読まれてしまうんじゃないかと少し怖くなった。きっと深い意図はないんだろうけど、俺は思わず目を逸らしてしまう。
すると光くんがそろそろと腕を伸ばして俺の右腕を掴んだかと思うと、ゆっくりと下に引っ張って体重を掛ける。
「えっ、ちょっ…」
急な事にバランスを崩してその場にしゃがみ込んだ俺の右半身に、光くんは目を伏せて近づく。そしてそのまま俺の背中側に顔を向け、遠慮がちに抱き着いてきた。
「…送って」
「え…」
「ゆーと送って…」
光くんがこんな事をしてくるなんて思ってもみなかったから正直戸惑った。完全に仕事モードがオフになってしまったのだろうのか。それでも小さく聞こえた消え入りそうな声は微かに震えていた。
ねぇ、こんな事されたら俺勘違いしちゃうよ。
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アキラ(プロフ) - しろくまさん» わっ、しろくまさん早速コメありがとうございます!私の頭の中はゆとひかでいっぱいです(笑)ビジュアル無敵のゆと最高ですー☆にゃんの名前呼びはガチで聞きたい勢です(笑)更新頑張りますね! (2018年7月1日 19時) (レス) id: f169dfc484 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - やって来ました。楽しませていただいています。ゆとひか…いつなんどきもイケメンのゆと君と何しても可愛いひかにゃん。ビジュ最高〜!ひゅーひゅー★ゆとくん呼びは逮捕案件〜萌えすぎる〜!更新、楽しみにしてますね。 (2018年7月1日 11時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - こんぺいとうさん» 初めまして!ゆとひか、アリ岡ですか?とても嬉しいです!これからもキュンキュンしてもらえるように頑張りますね(^-^)コメントありがとうございました。 (2018年4月12日 21時) (レス) id: f169dfc484 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - 初めまして!!読ませて頂きました!ゆとひか……アリ岡ですね。光くん、可愛くて読んでるこっちがきゅんとします。これからも頑張ってくださいね! (2018年4月12日 1時) (レス) id: aef38d8764 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ねね子さん» ねね子さん、こちらへもコメントありがとうございます!一緒にゆとひかを語れるお仲間さんがいるの、とても嬉しいし心強いです!またゆとひか語りましょうね!まだまだ占ツク慣れないですが、ぼちぼち更新していこうと思ってますので、温かく見守ってください(^ω^) (2018年4月11日 7時) (レス) id: f169dfc484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アキラ | 作成日時:2018年4月9日 3時