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知念がそう言ったところで目的階に到着した。エレベーターを出てそれぞれの部屋へ向かう途中、後ろで2人が何か話してたけど、はっきり聞こえないからそこには入らず部屋の方へとぼとぼ歩いていく。
裕翔はカメラを弄りながら、別に持ってた鞄をガサガサ漁って歩いている。ちらっと振り向いて見ると別のレンズやカメラが入っていて、1人だけやたらと荷物が多かったのはこれだったのかと納得した。
「じゃあ、2人ともまたね」
「うん、またねー」
そう言ってひらひらと手を振って部屋へ消えていった知念を見届けて、俺も向かい側にある自分の部屋へ入ろうとロックを開け扉を引いたところで立ち止まる。
「……裕翔部屋どこ?」
「あっち」
さも当然といった顔で既に通り過ぎた方向を指さす裕翔。いや、おかしいおかしい。
「なんでこっちまで来てんの」
「そりゃ…光くんの部屋で撮影会?」
「はぁっ?!」
少し薄笑いを浮かべてカメラを見せてくる裕翔に大きな声が出た。すぐにその声は周りの静寂に吸い込まれたからマズイと思って今度は小声で言い返す。
「ばか、冗談やめろって。俺やだかんなそういうの」
「そういうのって何?光くん、何の撮影だと思ってんの?」
「えっ…」
さっと近づいてきた裕翔に思わずドアノブを離してしまう。でも閉じかけた扉はそこで止まり、見ると俺の頭上付近の扉の縁を裕翔が掴んでいた。
「光くんの部屋の方角、夜の景色がいいんだよ」
「………」
「景色撮っちゃ駄目?」
「や、あの…」
「それともなに、何か…別のこと考えてたの?」
さっきまでの雰囲気から一変して、妖しい色を含んだ表情で裕翔は俺を見る。
やばい、俺自爆してるかも…。早とちりして口から出た言葉を裕翔に拾われてしまった。
だって、部屋に入ってきて撮影会とか言われたら…そんなの…。
各部屋の扉が死角になるようにそれぞれが窪んだ造りになっているこの廊下。物音ひとつしない空間に、変に緊張してしまう。
なんて言おうか考えていると、頭上を覆う影が大きくなった。間近に迫った裕翔がドアの縁と壁の縁に手を掛けて俺を囲っている。左手に持ったままのカメラのレンズが丁度俺を捕らえていて、どうしてか別の誰かにも見られている気になった。
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アキラ(プロフ) - しろくまさん» わっ、しろくまさん早速コメありがとうございます!私の頭の中はゆとひかでいっぱいです(笑)ビジュアル無敵のゆと最高ですー☆にゃんの名前呼びはガチで聞きたい勢です(笑)更新頑張りますね! (2018年7月1日 19時) (レス) id: f169dfc484 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - やって来ました。楽しませていただいています。ゆとひか…いつなんどきもイケメンのゆと君と何しても可愛いひかにゃん。ビジュ最高〜!ひゅーひゅー★ゆとくん呼びは逮捕案件〜萌えすぎる〜!更新、楽しみにしてますね。 (2018年7月1日 11時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - こんぺいとうさん» 初めまして!ゆとひか、アリ岡ですか?とても嬉しいです!これからもキュンキュンしてもらえるように頑張りますね(^-^)コメントありがとうございました。 (2018年4月12日 21時) (レス) id: f169dfc484 (このIDを非表示/違反報告)
こんぺいとう(プロフ) - 初めまして!!読ませて頂きました!ゆとひか……アリ岡ですね。光くん、可愛くて読んでるこっちがきゅんとします。これからも頑張ってくださいね! (2018年4月12日 1時) (レス) id: aef38d8764 (このIDを非表示/違反報告)
アキラ(プロフ) - ねね子さん» ねね子さん、こちらへもコメントありがとうございます!一緒にゆとひかを語れるお仲間さんがいるの、とても嬉しいし心強いです!またゆとひか語りましょうね!まだまだ占ツク慣れないですが、ぼちぼち更新していこうと思ってますので、温かく見守ってください(^ω^) (2018年4月11日 7時) (レス) id: f169dfc484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アキラ | 作成日時:2018年4月9日 3時