JUMP×hk短編集 (ページ4)

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バタンッ。

　ドアを開くなり、えらくぷりぷりした光が俺の所へやって来た。目の前で仁王立ちするもんだから、手元のサッカー誌が暗くて読めない。

｢なんだよ、どした？｣
｢どしたじゃねぇよ｣

　軽く口を尖らせて、光が俺を見下ろす。久々に会って突然怒られても全然検討がつかない。

何をそんなに怒ってるんだ。
可愛い顔が台無しじゃねぇか。

…いや、なんにしろ可愛いのは可愛いか。

｢あれ…なんだよ…｣
｢あれって？｣
｢こないだのラジオ…｣

　先日から始まった光と雄也の舞台初日の前日。光が暫く出られないからと、レギュラーのラジオへ俺が代わりに参加したのだ。
　光の代打として俺なりに全うしたつもりなんだけど。何かおかしな事でもやってただろうか。

｢なんで俺に向かってコメントしてんだよ…｣
｢…あぁ。だって光が言ったんだろ？聴いてる人が熱くなるようなって｣
｢言ったけど…俺はリスナーのみんなにむかってって意味で言ったのっ。なんだよあれっ…｣

　光は気まずそうに目を少し泳がせて、瞬きを繰り返す。それを見て俺は思わず口角を上げた。

｢…ははーん。さては照れてるな？｣
｢っ…｣

　図星だったのか、言葉に詰まった光はそれを誤魔化すようにテーブルの方へ移動した。被っていたキャップを置いて鞄をゴソゴソ漁ってる。

｢公共電波使って愛してるなんて言われて、恥ずかしかった？｣

　そう聞くと遠くからでも分かるくらいに耳を赤くして、ピタッと動きが止まった。きっとラジオでの俺の声を思い出したんだろう。

あらあら、可愛いじゃないですか光さん。

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