JUMP×hk短編集 (ページ2)

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　舞台の仕事が決まってから、最近は光くんと2人での仕事が増えてきた。今日もその兼ね合いで雑誌の撮影をしている。有難いことに表紙を飾らせて貰えるみたいで、今はその撮影の真っ最中。

｢なんでこんな違うんだろ…｣

　撮影セットをスタッフさんが用意している間、衣装へ着替え終えた光くんが、首を傾げ不満そうな顔でぼそっと呟いた。なぜか恨めしそうに俺を見上げるから、ん？と眉を上げ表情だけで問いかける。

｢髙木とおんなじ服着てんのにな…｣
｢え…？ああ…いやいや、似合ってるよ？むしろ光くんのほうがこういう服合ってると思うけど｣
｢…そぉじゃないんだよぉ〜｣

　俺の肩に手を置いてがくりと項垂れる小さな頭に、ちょっと笑ってしまった。

｢なんかなぁ…髙木みたいにワイルドさが出ないんだよなぁ俺｣
｢気にすることないよ。光くんは神聖な感じする、教会にいそう｣

　なんだよそれ〜と光くんは口を尖らせ、むくれた顔で差し入れが置いてあるテーブルのほうへ行ってしまった。
　本当なのに。今の光くんはいつも以上に穢れのない空気を纏っている。最近髪を染め直したらしい光くんはさらに綺麗になって、日本人離れした容姿がますます際立っていた。白い衣装から伸びる細く長い腕や、華奢な首元、ふわふわと揺れる長くなってきた髪が、どこか触れる事を禁じられた存在のように感じて。

天使みたいだよ。

そう言ったら、あなたは笑うだろうか。

その一言を伝えたくて、無垢な君がいるほうへ俺は足を向けた。

－Fin－