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EP.7【てつや】 ページ7

て「あの、大丈夫ですか?」
控えめに声をかけるが反応はない。

慌てて顔を近付け呼吸を確認するが
うん、息はしている。

少し考えて、声をかけながら
体を軽く揺すると彼女ははっと
目を見開き、俺を見たかと思えば震えだした。

やべえ、怖がらせた?

て「あ、あの、大丈夫かなーと思って声掛けたんですけど…
すごいフラフラだったし、ほら、夜なんで…」

言いながら、彼女を見る。
彼女は震えを抑えるように自分の腕を
きつく握りしめ、それでもどこかほっとしたような
顔をしていた。

「あの、すみません…大丈夫です…」
小さな声でそう言ったかと思うと彼女は
立ち上がり、じゃあ、と歩きだそうと
したがふらついて転けそうになって
その体を支える。

「っ…!」
て「大丈夫ですか!?
あの、よかったら家まで送りましょうか?」

思わずそう言ったけど、かえってきた言葉に
俺は言葉を失った。


「家は…ありません」


どこかで猫の鳴く声が聞こえた気がした。

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作者名:とーの。 | 作成日時:2018年7月30日 21時

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