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EP.41 ページ41

のんびり話しながら歩いて
距離の割には帰るまでに
随分と時間のかかったように思う。


帰り道、てつやに野良猫みたいだ、
なんて言われて考えていたけど
よく分からない。

なんでもないといっていたから
特に意味の無い言葉だったのかもしれない、
考えるのを辞める。


手を繋がれたまま玄関に入り、
靴を脱ぐ。


ほんとに何気なく言った言葉だった。


てつやが他人じゃないと言ってくれたから。

一緒に帰ろうと言ってくれたから。

私はただいまって言ったんだ。


物凄い勢いでてつやが振り向いた。

て「いま、なんて?」

「え…ただいまって」

て「おかえりA!」

ガシガシと頭を撫でられて
りょうに頭を撫でられるのとは
大違いだ、と独り言ちる。

動画でイケメンともてはやされる
だけのことはある。

でも、てつやの少し乱暴な手が今は嬉しい。


不意に込み上げてきた感情は
久しく感じていないもので

幸せだなんて、
この時は分からなかった。

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作者名:とーの。 | 作成日時:2018年7月30日 21時

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