シルクの妹であるマサイの嫁はまだまだ愛されます。

01//ルーティン ページ1

マ「ん……いい匂い」


朝、美味しそうな匂いで目が覚めた。
ンダホかよ。


『あ、おはよう。マサイ』

マ「…あぁ、おはよう」

『まだ慣れないの？』

マ「……」


結婚式から一ヶ月。
朝ごはんを作ってくれるA。
一ヶ月も経つのに未だに慣れない。
クスリとからかうように笑うAが可愛くて仕方ない。


マ「今日、仕事か？」

『うん。もう出るよ』


Aは大学卒業後、デザインの職に就いた。
まだ慣れない職場で忙しいらしい。


マ「帰りは？」

『うーん、早く終われば18時くらいかな』

マ「わかった。終わったら連絡して」

『うん。いってきまーす！』

マ「A、忘れ物」

『え？』


呼び止め、手を引くと軽くキスをした。
離れてAを見ると顔を真っ赤にしていたのに口が緩む。


マ「一度してみたかった」

『もうっ！』

マ「遅れるぞ」

『あ！バス来ちゃうっ』

マ「気をつけろよ」

『はーい』


Aが玄関を出て俺もベランダに向かった。
ベランダに出るとマンションの前のバス停に向かうA。
10階のベランダからバスに乗るまで見送るのが日課になっていた。

バス停に着いたAが見上げて笑って手を振ってくれる。
それに俺も振り返す。
バスが来て乗り込む時、再び手を振る。
そして、バスが2つ先の角を曲がるまで見送る。

それが、ルーティン。
幸せだ。


マ「よし、飯食って編集するか。昼にはシルクたち来るし」




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