その3 ページ3
*
『…』
田「…」
静かな車内。
なに話せばいいのだろうか…。
『…(というか、この人は話していいのかな)』
田「神代さんって」
『え』
田「おいくつなんですか」
『…』
田「あ。すみません、女性に年齢聞くのは失礼ですよね」
『え、いえ…25です』
田「じゃぁ同年代だ」
『田所さんは…28、くらいですか？』
田「お！ビンゴっ、鋭いですね」
『はは、、敬語じゃなくていいですよ』
田「あ、そうですか？じゃぁ、神代さんも」
『いや、そういうわけには…先輩ですし』
田「いや、せっかくバディになったんですし、俺も距離近いほうが楽なんで」
『…そう、ですか』
それからは他愛のない会話がポツポツと続いた。
夜、休憩にご飯やを探していると無線が入った。
《警視庁から各局、練馬署管内にて強盗傷害事件発生。住所は――》
田「近いね」
『機捜403、――から向かいます』
《警視庁、了解》
パトランプをつけ緊急走行する。
現場につくと、初動捜査に入る。
田「機捜403、初動捜査に入ります」
『あ。401』
九「お疲れさまです」
田「早いですね」
陣「すぐそこ走ってたからな」
『被害者の方は？』
九「あっちで救急隊に手当してもらってます。怪我は大した事ないようで、これから事情を伺おうかと」
『じゃぁ、そっちは私たちで』
陣「おう、頼んだ」
治療を終えた被害男性の元へ向かう。
『こんばんは、大丈夫ですか？』
「あぁ…はい」
田「すぐで申し訳ないんですが、お話伺えますか？」
「はい」
田「まず、お名前は」
「清水敏信です。51の会社員です」
『おひとりでお住まいですか？』
「いえ、妻とふたりで…今、長野の実家に帰ってます」
『状況、お話できますか？』
「はい。帰宅したら玄関が開いていて――」
田「帰宅したときは玄関は開いていて、犯人が逃げようとしたところだったそうです」
『それで突き飛ばされて靴箱に頭を強打したようです』
4機捜に戻り、事件を整理。
陣「取られたものは金庫に入れていた通帳、印鑑、現金20万、他高級腕時計やアクセサリー7点」
伊「うわ、聞いてるだけで超金持ち感」
『自宅、大きかったです』
九「被害総額はおよそ160万」
『玄関にピッキング跡があり、常習の犯行かと思います』
志「常習か。先月から発生してるやつですかね」
陣「あぁ、俺も気になってな」
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作者名：まとい
| 作成日時：2021年9月5日 22時
