05.事件です。 ページ6
『ああぁぁああああっ！！』
分駐所に響いた叫び。
伊「Aちゃん！？どうしたの！」
『ない…』
九「何がですか？」
『ぷ、プリンが！ない！』
志「…はぁ、」
伊「プリン？」
九「そんなことですか…」
『そんなこと！？九重くん！私がプリン好きだって知っての発言！？』
九「知りません。また買ってきたらいいじゃないですか」
『あれは1日20個限定の超人気商品の！』
伊「それは事件だ！」
『事件です！伊吹さん！すぐに捜査を！』
伊「よし！聴取に行こう！」
志「行こう！じゃねーよ！」
暴走する二人の前に立ちはだかる。
『志摩さん！邪魔しないでください！捜査妨害ですよ！』
志「そんなくだらないことしてる暇あるなら報告書まとめろ」
『あぁ！くだらないって言った！』
志「うるさい…」
『由々しき事態です！死活問題です！人類滅亡の危機です！』
志「大袈裟だ。プリン1つで」
『うわーん！楽しみにしてたのにぃ！』
志「嘘泣きうるさい」
『伊吹さーん！志摩さんが鬼！』
そこへ、陣馬さんが戻ってきた。
陣「おう、どうした？」
九「永月さんのプリンが無くなったそうです」
陣「プリン…あ、あれ永月のだったのか」
『…陣馬さん？』
陣「悪い。食べた」
『陣馬ぁああっ！！』
伊「どうどう、Aちゃん。プリンなら俺がいっぱい買ってあげるからね」
『うー…ケーキ屋さんの、1日20個限定の、超濃厚とろけるプリン…』
伊「うんうん。買ってあげる！」
『伊吹さんっ、好きです！』
伊「俺もAちゃんだーいすき！」
志「はい解決。はい離れる。はい仕事。」
『う〜…志摩さん薄情』
志「はいはい」
翌日、ケーキ屋の箱が2つ。
『わぁ！』
伊「…なんで志摩も買ってきたの？」
志「Aが食べたがってたから」
伊「俺が買ってくるって言ったのに！」
志「なんで2個買ってんだ」
伊「志摩だって」
志「俺はAと食べようと思って」
伊「俺だって！」
『…せっかくなので、ひとつは九重くんに』
九「え、いいんですか？」
陣「俺は？」
『陣馬さんは昨日私の食べたのでありません』
陣「えー…」
志「だったら伊吹が買ってきたのを九重に！」
伊「なんで！？俺はAちゃんに約束して買ってきたの！志摩は勝手に買ってきたんだから志摩のを九ちゃんにあげろよ！」
志「俺だってAに買ってきたんだよ！」
九「また始まった…」
『おふたりの気持ちはちゃんと受け取りましたから！』
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作者名：まとい
| 作成日時：2020年7月29日 12時
