その4 ページ16
倉田さんは退職金詐欺にあい、前から借りていたこの倉庫に寝泊まりしていたようだ。
「あ、きんぴら…無事だったのか」
「トランクルームに住むのは違法。猫を飼うのも違法だと承知しておりますが、ここでの私はただのコスプレイヤーであり」
志「前置きはいいです。おふたりの関係は」
「きんぴらが怪我してて、通りすがったジュリさんが見てくれたんです」
「猫は正義です」
『分かります』
伊「俺は犬派〜。Aちゃんは?」
『どっちも好きです』
伊「気が合うね〜」
「関係と言ってもそれだけで」
「倉田さんの猫だと思ってました」
「健さんに、俺の事は言うなって言われてて」
志「なぜ、ホームレスになったのか聞いてませんか?」
「いえ…私みたいに、奥さんと喧嘩したんじゃないですか?」
伊「えっ…喧嘩で家出?」
「だって、退職金詐欺に会ったこと責められて…」
志「それで、なんで殺したんだ」
「殺してません!」
志「なんで遺体にあんなものをかけたんだ」
「あんな…!?」
『志摩さん、その聞き方はまずいです…』
「誘導尋問はやめてください。音声取ってますよ」
志「…失礼しました」
「健さん殺されたんですか?」
伊「まだ何も分からない」
『何か心当たりは?』
「いえ…健さん、私よりずっと前から寝泊まりして…」
志「健さんが亡くなったのは一昨日の夜。隣なのに気づかなかったんですか?」
「毎日会ってるわけじゃないし」
伊「例えば…音を聞いたとか」
「そういえば、きんぴらが…騒いでて、珍しいなぁって」
「あ、怪我してんのかと思ったけど…この血、」
猫の爪には血が着いていた。
志「犯人を引っ掻いた?」
伊「鑑識さん!猫の爪切って」
「危ないから私が」
猫と一緒にみんな去っていった。
伊「あ、メロンパン!うわ、持ってかれた」
『…あ、電話』
志「…所轄から電話あった。山中誠二、12年くらい前にバイト先の先輩の先輩から銀行口座を売らないかと話をもちかけられて、疑いもせずに売ってしまった。
山中はもちろん、自分名義でトランクルームを借りられていることも知らず、健さんのことも知らない」
伊「健さんって何者?」
志「ひとつ分かったことがある。健さんは自分名義でトランクルームを借りられない。犯罪者だ」
伊「…あぁ!俺、健さんの顔どっかで見たことあると思ったら…奥多摩で見てたわぁ〜」
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ミヤ(プロフ) - 質問していいですか? (2020年12月19日 22時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 ドラマ『MIU 404』終わってしまいましたね。。。 (2020年9月5日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - こんばんは(*^^*) 更新ありがとうございます。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年8月31日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 【残り話数を使って小話し】無防備のここの部分 相当疲れているのが、起きる気配がない。 心地いいのか、口角が僅かに上がった。 これ正しくは相当疲れているのか、ではないんでしょうか? (2020年8月30日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 読んでいて気が付いたのですが...。 ご報告のここの部分 とにかく来週か楽しみです。 これ正しくはとにかく来週がではないんでしょうか? (2020年8月30日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まとい | 作成日時:2020年8月1日 5時