その11(主人公side) ページ11
再びビルに戻ってきた。
伊吹さんと先に屋上に来たが、志摩さんがなかなか上がってこない。
『ちょっと見てきます』
1階まで降りると、兄がいた場所に座り込んでいた。
志「今、機捜でホシを追ってる。彼らに偉そうに言葉を投げかけるが全部ブーメラン。俺にそんなこと言う資格があるのか?俺こそ裁かれるべきなんじゃないのか…。
…やっぱ兄妹だよな。Aも、お前に似てたまに突っ走ることがある。でも、ちゃんとブレーキを知ってる。Aは、どんな悪党でも死ぬことを許さない。かっこいい刑事になったと思うよ。
お前の相棒が、伊吹みたいなやつだったら…っ、生きて…。刑事じゃなくても、生きて…っ」
視界が滲んだ。
思うよりも先に体が動いて、後ろから抱きついた。
志「…A」
『……なさ、…ごめん、なさ、い』
志「なんで謝るの…謝るのは、俺の方」
『私…志摩さんの気持ち、知ろうとしなかった…。それなのに、勝手に志摩さんのこと、ずっと、責めて…ごめんなさいっ』
ゆっくり離れると、向き合った。
『…兄は、最後まで刑事でいました。自分の正義を貫き通しました。兄は…私が尊敬する刑事の、ひとりです』
そういうと、志摩さんは抱きしめてくれた。
志「…忘れない。。香坂のこと、絶対忘れない。」
久しぶりに、彼の背中に手を回した。
屋上に向かうと待ちくたびれた伊吹さん。
伊「なぁに話したの?」
志「内緒」
伊「志摩ぁ。刑事辞めないよな?」
志「…今辞めたら、俺は一生自分を許せない。何度もブーメランくらいながら続けるよ」
伊「まぁ、安心しろ。俺の生命線は長い。殺しても死なない男。それが、伊吹藍」
『ふっ…』
志「…今、心の底からイラッとした」
伊「なんでそうなるかな?」
『志摩さん。私の生命線も、長いです』
志「…大丈夫、もう二度と繰り返さない…絶対に守る。もう、大事な人は失わない」
『…』
伊「それって、俺もだよね」
志「お前は放っておいても大丈夫だろ」
伊「それは酷いよー。志摩ちゃん。…大丈夫。俺も、Aちゃんも志摩も、俺が守る」
『はい。私も、志摩さんと伊吹さんを守ります』
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ミヤ(プロフ) - 質問していいですか? (2020年12月19日 22時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - こんばんは(*^^*) 夜遅くにすみません...。 ドラマ『MIU 404』終わってしまいましたね。。。 (2020年9月5日 2時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - こんばんは(*^^*) 更新ありがとうございます。 物語読みました。 続きが気になります。 更新待ってますね。 (2020年8月31日 21時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - 続けてのコメントですみません(>_<) 物語読んでいて気が付いたのですが...。 【残り話数を使って小話し】無防備のここの部分 相当疲れているのが、起きる気配がない。 心地いいのか、口角が僅かに上がった。 これ正しくは相当疲れているのか、ではないんでしょうか? (2020年8月30日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
雨 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません...。 読んでいて気が付いたのですが...。 ご報告のここの部分 とにかく来週か楽しみです。 これ正しくはとにかく来週がではないんでしょうか? (2020年8月30日 0時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まとい | 作成日時:2020年8月1日 5時