【MIU404】野生刑事がみつけた「それ」

06.いない存在 ページ7

◆伊吹side


分駐所に戻り、隊長も来たところで話をした。


志「可能性として、無戸籍者ということです」

伊「きゅーちゃん知ってる？無戸籍ってのは」

九「知ってます」

伊「…」

志「知らないのお前だけだよ」

桔「無戸籍か…親を見つけるのは難しそうね」

志「そのことで、ひとつ提案が」

桔「…なに？」

志「DNA検査はどうでしょう」

陣「DNA？」

志「彼女と親子関係にある人物に前科があれば見つけられるかもしれません」

桔「なるほどね…、分かった。鑑識に話してみる」

志「お願いします」


そういい、立ち去る隊長。


伊「…でもさぁ、例え見つかったとして、どーするよ」

「…」

伊「虐待の可能性があんのに、はいさよならって帰すわけいかねーだろ」

志「そうだな……彼女が何か話してくれればな」


数日後、鑑識の許可がでて早速検査をすると、翌日には結果が出た。


桔「ヒットした」

伊「マジで！？」

陣「父親か？母親か？」

桔「父親」

桔「名前は木嶋勇。現在、43歳。20年前に暴行と強制わいせつで捕まって5年服役。現住所は墨田区ね」

志「俺ら行ってきます」

桔「よろしく」

伊「よっしゃ！」


男の自宅へ向かった。
普通の、ちょっとオシャレなマンション。

チャイムを鳴らし、出てきたのは至って普通の男性。


「はい」

志「ちょっとお話いいですか？」


と、警察手帳を見せると少し焦った顔をした。

すると、奥から女性と子供の声。


「どうしたの？」

「ぱぱー」

「あ、いや…なんか知り合い。ちょっと話してくるよ。すぐ戻る」


慌てて玄関を締める。


志「…」

「…前の公園でもいいですか？」

志「はい」





「なんなんですか、いきなり。」

志「奥さんですか？」

「えぇ、まぁ…20年前のことは言ってないんです。反省してます。本当に」


嘘はついてないように思えた。


志「今日は別のことでお話を」

「え？」

伊「この子、知らない？」


と、彼女の写真を見せる。


「…いえ、見たことないです。」

志「本当に？」

「はい…」

志「この子、ある事情で今警察で保護してるんですが、DNA検査をした所、あなたと親子関係にあることが分かりました」

「は！？ なわけないでしょ！」

志「今の奥さんとは何年で？」

「8年ですよ」

志「それ以前に関係を持った人は？」

「そりゃ、いますけど…」

志「その中に心当たりは」

伊「…」

「……被害者の中に、いたかもしれないけど、、」



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