【MIU404】野生刑事がみつけた「それ」

48.お返事 ページ49

◆伊吹


『分駐所久しぶり！』

伊「そうだなぁ」

『今日は何で？』

伊「隊長と陣馬さんが大事な話があるって」


次の任務の日、Aを連れて出勤した。


『おはようございます！』

志「おはよう」

九「おはようございます」

陣「おう、久しぶりだな！」

桔「おはよう、A」

『おはようございます』


隊長と陣馬さんと会うのはかなり久しぶりだからか、少しソワソワしている様子のA。


桔「早速だけど、Aの就籍に必要な書類とか揃えたから…」

『しゅうせきって？』

桔「Aはね、戸籍がないから戸籍を取らないといけないの」

『こせきって？』

伊「Aの無戸籍についてはなんも話してないからな…」

志「人は、生まれた時に役所に生まれましたって証明する手続きが必要なんだ。Aはそれをしてないから、戸籍がない」

『こせきがないとダメなの？』

九「そうですね…法律にも守られないし、これから先働くことも難しくなります」

『働けない…』

志「まだ難しいよな」

桔「でもね、必要なことなの。戸籍がないとこれから大変よ。」

『…わかった』

桔「手続きは手伝うから安心して。それと…」

陣「…Aちゃん、よかったら俺の養子にならないか？」

『？』

伊「陣馬さんとこの子供になるってこと」

『なったらどうなるの？』

陣「俺がAちゃんの父親ってことだな」

『…陣馬さんがお父さん』

陣「まぁ、形だけでもな」

『…うんっ』


理解してるのかどうか……Aは嬉しそうに返事をした。


◇


その日の夜、少し前に仮眠室に入ったAの様子を見に行くと目を覚ました。


伊「ごめん、起こした」

『ううん。ちょっと寝れない』

伊「じゃぁ、少しお話しよう」

『うんっ』


そう言って、Aの寝る布団に入る。


伊「…A、」

『ねぇ、あいちゃん』

伊「うん？」

『あのね、結婚のこと…』

伊「…」

『まだよく分かんないんだけどね…あいちゃんとずっと一緒に居たいって思ってる。あいちゃんも同じ？』

伊「もちのろん！ 俺もAとずーっと一緒に居たい」

『あいちゃんと一緒にいると安心する』


少し眠たげに抱きついてくるAの頭を撫でた。


『…私も、あいちゃんと結婚したい』

伊「……絶対後悔させない。幸せにする」

『…あいちゃん』

伊「ん？」

『見つけてくれて、ありがとう』

伊「…」


そう言って、Aは眠りについた。


伊「…俺も」


選んでくれてありがとう。



.

最終.一生のしあわせ→←47.過保護

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す