【MIU404】野生刑事がみつけた「それ」

45.電話 ページ46

◆A


志「ちょっと出かけてくる」

『うん。いってらっしゃい』


ひとりで家にいて、ふとこの前のことを思い出した。

志「伊吹と連絡取ったか？」
志「連絡してみな、喜ぶから」

助けてくれた日から、一度も話してない。


『あいちゃん、元気かな……』





◆伊吹


Aと離れて3週間が経とうとしている……
未だに連絡もなければ俺からもしてない。

俺が話さないからか、志摩もAのことを話さない。

家でぼんやりしてたら、スマホがなった。
ディスプレイの画面を確認して飛び起きると、自分を落ち着かせて通話ボタンを押した。


伊「……もしもーし。どーした？」

＜……＞

伊「…A？」

＜…あいちゃん、元気？＞

伊「んー、まぁ元気だよー」

＜………あいちゃん、怒ってる……？＞

伊「えぇ？ 怒ってないよ。なんで？」

＜病院にいる時も、来なかったから＞

伊「あー…うーん……」
　「……A、俺のこと怖かったっしょ？」

＜…ごめんなさい。。あいちゃん、助けに来てくれたのに＞

伊「謝んないで。怖がらせた俺が悪いんだから」

＜……あいちゃん…＞

伊「ん？」

＜……帰っても、いい？＞

伊「……いいの？」

＜あいちゃんのとこがいい＞


そういわれて、素直にめちゃくちゃ嬉しかった。


伊「…うん。俺も、Aと一緒がいい」
　「あぁ！ でも、すぐは待ってっ」

＜……どうして？＞

伊「えーと……ちょっと、、夜、帰っておいで」

＜？……分かった＞



◆志摩


志「……なんかいい匂い」


帰宅すると、Aがキッチンに立っていた。


志「…飯作ってんの？」

『うんっ、スマホでレシピ見つけてね』


ここにいる間に積極的に料理をしてくれていたため、かなり上達したと思う。


『どぉ？』

志「うん、美味いよ。上達したな」

『ふふん』


黙々と食べていく中、なんだかソワソワしているA。


志「……伊吹のとこ戻るのか？」

『！』

志「あいつから連絡きた。「Aは返してもらう！」って」

『……今日、電話してみた。怒ってないって』

志「…言ったろ？」

『うん、帰ってきていいって。だからね、』

志「飯食ったら送る」

『……しまちゃん、寂しくない？』

志「……平気」


正直、寂しくはあるが……Aが戻りたがってるなら仕方ない。


『また来てもいい？』

志「いつでも来い」



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