【MIU404】野生刑事がみつけた「それ」

33.伊吹の想い ページ34

◆伊吹


『……あれ何？』


昼飯を食べながらも周りをキョロキョロとするA。
指さす先には、古びた建物をモチーフにしたお化け屋敷があった。


伊「お化け屋敷、……行ってみる？」

『お化け……怖い』

志「怖くねーよ、作り物だ。まぁ、無理して行くことないけどな」

『別のがいい』

伊「んじゃ、スプラッシュコースター！ 水がバシャーンてなるんだ」

『行く！』


丸一日遊んで、もうすぐ閉園の時間。


伊「ジェットコースター5回くらい乗ったな」

志「よっぽど楽しかったんだろ。そろそろ閉園だ」

『志摩ちゃんと乗ったの、乗りたい！』

伊「じゃ、最後に観覧車行きますかー！」


1周20分程の大きな観覧車に乗る。


『志摩ちゃんと乗ったのより高い！』

志「…今日は楽しんだか？」

『うん！ 楽しかった、また来たい！』

伊「うん、また来よう」

『凄いっ！ まだ高く行く』

伊「……」


今日1日、ずっと楽しそうにしていたA。
俺もそれを見て嬉しかった。


志「よし、帰るか」


車を走らせてしばらく……
後部座席を見てみると、寝てしまっているA。


伊「寝ちゃってる」

志「…ずっとはしゃいでたからな」

伊「……なぁ志摩ちゃん、」

志「ん」

伊「俺…マジでAのこと幸せにしてーんだよな」

志「……そうだな」

伊「だからさ…俺、一生傍にいようと思って」

志「一生って……つまり、結婚とかか？」

伊「そ！ そういうこと」

志「んなこと勝手に決めんなよ。Aの気持ちもあるだろ」

伊「そりゃね、Aの気持ちが一番よ。志摩や九ちゃんを選んだら全力で阻止するけど」

志「なんでだよ」

伊「…いま幸せそうだからさ、このまま一緒にいて笑ってくれればいいけどな」

志「……やっぱ、お前って時々良い奴だな」

伊「時々ってなんだよ」

志「その前に、Aにはまだ教えることも沢山あるけどな」



・

34.おつかい→←32.遊園地

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す