【MIU404】野生刑事がみつけた「それ」

28.新しいもの ページ29

◆伊吹


伊「A、出かけるよー！」

『うん！』


休日、ふたりでお出かけ。


『あいちゃん、どこ行くの？』

伊「んー？ちょっと必要なものを買いにね」


着いたのは携帯ショップ。


『……あいちゃんが持ってるの』

伊「そうそう。Aも持ってた方がいいなって」

『なんで？』

伊「…そろそろね、ひとりで留守番しなくちゃいけないから」

『……なんで…？』

伊「最初に言ったろ？ずっと一緒に仕事行くのは難しいって」

『……』


シュンとしちゃった……。
でも、こればかりは仕方ない……心を鬼にして…。


伊「Aの好きなもの選んでいいから。ほら、青とかどう？海の色」

『……ぅん』

伊「……」


我儘言えないって分かってんだろうな……


伊「帰りにメロンパン買いに行こうか」

『ん……』


結局、Aの好きな海の色のを買った。


伊「ちょっと待ってな。今設定するから」


なんだかんだで興味津々で、横から画面を覗いてくる。


伊「よーし、ちゃんと使い方覚えてな」

『ん？』

伊「まず、これがLAIM。メッセージアプリ。ここからトーク開いて、こうやって文字打って送信。簡単でしょ？」

『ん』

伊「これが俺の。メッセージ飛ばしてみ」

『うん！』


ジッとスマホの画面とにらめっこしながら10分、メッセージが来た。


伊「お、来たよー」

Aあいちやんすき

『出来てる？』

伊「完璧！」

『へへ』


可愛いぃ……！


伊「あ、志摩たちの連絡先も入れといたから」

『志摩ちゃんにも送るっ』


しまちやん
しま携帯買ってもらったのか。勉強で分からないことはいつでも聞けよ

伊「ここでも勉強かよ……小さい"や"はここ打つんだよ」


Aきゅーちゃん!
ここのえAさん?スマホ買ってもらったんですね。いつでも連絡してください。


『お返事来た！』

伊「あと…これで話したりも出来る」

♪〜

『！』

伊「ここ押してみな」

『……』

伊「もしもーし」

『ぉ！あいちゃんの声聞こえる』

伊「これでいつでも話せるよ」

『嬉しい』

伊「……だから、ね？お留守番頑張ろう」

『ぁ……ぅん』

伊「…いっぱいメッセージ飛ばしていいから！」



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