【MIU404】野生刑事がみつけた「それ」

02.野生刑事 ページ3

◆伊吹side



夜中、コンビニに向かった帰りに近道をしようと公園を突っ切ろうとした。


伊「…あれ」


公園の隅のベンチに人影を見つけ、ゆっくり近づいてみると女の子だった。

ベンチに膝を抱えて座りボーッと空を見上げていた。明らかに未成年。

職業柄、見過ごすわけにはいかない。


伊「…ねぇ」

『…』


同じ目線にかがみ、ぼんやりした目のまま視線をこちらに向ける。
長い前髪の隙間から見える精力のない目。


伊「こんなとこで何してんの？もう1時だけど…危ないじゃん」

『…』

伊「…あ、俺こー見えて警察官だから。警官として、君を心配してるの」

『…』


「ほら」と警察手帳を見せても無反応。


伊「うーん…。君いくつ？名前は？」

『…』


何を聞いてもぼんやりとした目で何も言わない彼女。

困ってしまってワンワンワワン…状態。

頭をガシガシ掻いていると、小さな声でポツリと一言言った。


『いたい…』

伊「…え？」

『…』


よくよく見ると、裸足に汚れている服。
服の袖や首元に見える痣や怪我。

それ以上は何も言わなくて、志摩に電話してみると
「芝浦署に連れていけ」とだけ言われた。


伊「よかったー！隊長居てくれて！」

桔「一応、志摩からも連絡あったけど…、あの子何も話さないんだって？」

伊「何を聞いてもなーんにも言わないの」

桔「怪我もしてるようだから、今から警察病院につれていくけど」

伊「俺も付きそいますっ」


隊長と一緒に女の子を病院に連れていき検査をした。


「虐待の可能性がありますね」

桔「虐待…」

「複数箇所の骨折が見られました。何箇所かは自然に治ったような形跡も見られます」


医者から色々と話を聞いて、女の子はしばらく入院することになった。


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