12.名前 ページ13
◆伊吹
伊「んふふー」
『…あいちゃん、たのし？』
伊「んー、楽しいというか、嬉しい」
『うれし？』
何かを尋ねるとき、彼女はコテン、コテンと首を傾げる。
うん。可愛い……！
伊「そうだ。今日はこれをあげたくて……」
『？』
伊「ほぃ」
彼女に差し出した一枚の紙。
伊「俺 字そんなに綺麗じゃないけど、めちゃくちゃ丁寧に書いた！」
『……これ、なに？』
開いた紙には【A】の文字。
伊「君の名前」
『なまえ』
伊「俺の名前は、伊吹藍。んで、君の名前はA」
『…いぶき、A？』
伊「……それ、いいね！ 伊吹A、超いいじゃんっ」
余程嬉しかったのか、大事そうにその紙を握る。
Aは、意外と感情豊かだ。
伊「…A、なにか欲しいものある？」
『？』
伊「明後日退院だから、必要なもの買っておこうと思って。洋服とかは一緒に見に行くとして…他に何か欲しいものない？」
『……わかんない』
伊「うーん」
考えてみれば、あの環境下だったからなぁ……
何が必要なのかもよくわかんないのか。
伊「よし、じゃぁ俺が必要最低限のもの買っておくね。退院したら他のも一緒に見に行こう！」
『……』
伊「色んなところ連れてってあげるね」
俺が頭を撫でると、嬉しそうに笑う。
志「だいぶ懐いてるな」
伊「お、志摩ぁ。珍しい」
『……』
志「久しぶり、覚えてる？ 志摩一未です」
志摩を見ながらコクリと頷くAだが、まだ警戒してるようだ。
志摩は最初の頃、2〜3回しか来てないからな。
伊「志摩何しに来たの」
志「お見舞いだろ。これ、」
伊「んー？」
志摩が机に数冊の本を置いた。
ひらがな、カタカナ、漢字、計算……
志「勉強は伊吹じゃなくて俺に聞け。分かるまで教えてやる」
伊「なんでー！ 俺だって教えられるしっ」
志「文字と計算くらいはできてた方がいいが、ゆっくりでいいからな」
『……』
伊「文字と計算くらい、俺にも聞いていいからねっ」
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ハノン(プロフ) - 完結おめでとうございます‼︎ (4月16日 8時) (
レス) @page50 id: 1f618da4ab (このIDを非表示/違反報告)
ハノン(プロフ) - はわ、、、結婚ですか💍はわわ、、、お返事はどうなるんでしょう😇楽しみにしています。 (4月12日 16時) (レス) @page47 id: 1f618da4ab (このIDを非表示/違反報告)
karen11061999(プロフ) - 最高です。更新待ってます！ (11月19日 20時) (レス) @page35 id: b38f00e9bf (このIDを非表示/違反報告)
課長封月X(プロフ) - お礼の仕方、、、。切なくて苦しいです、、。お話大好きです！更新楽しみにしてます！ (10月18日 0時) (レス) @page27 id: 160d503e2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆーみん(プロフ) - 最高すぎてお気に入り登録させてもらいました！！更新楽しみにしてます☺︎ (8月10日 3時) (レス) @page12 id: 96f35707a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さめ
| 作成日時：2023年8月3日 14時
