【MIU404】 善 と 悪 - 善から悪へ -

__23. ページ24

久「A、冷蔵庫からっぽやで。買い物行こうか」

『はい』


いつものようにAの手を引いて買い物に出かける。


『今日はなに食べたいですか？』

久「んー…肉」

『んー、唐揚げとか』

久「お、ええなぁ」

『決まりっ』


道を並んで歩いていたとき、前方から悲鳴が聞こえた。
見てみると、刃物を振り回している男がこちらに向かってきた。

近くまで来ると、ナイフを振り上げ飛びかかってきた。


久「Aっ！」

『っ─！？』


咄嗟にAを庇うと、右肩に痛み。

男は一度切りつけると走り去って行った。


『…久住さんっ』

久「っ…へーき」

『でも…』

久「…平気やって」


泣きそうな顔のAの頭を撫で笑ってみせる。


久「一旦帰るか」

『病院…』

久「ええって。代わりにAが手当してや」


一度家に戻ってAに手当をしてもらった。

服を脱いて手当をしてもらっていると、時折、鼻をすする音が聞こえる。


久「…ごめんな、心配したやろ」

『…病院、本当にいいんですか？』

久「こんくらいで死にはせん。すぐ治る」

『そうだけど…』

久「ちょっと心配しすぎやで」

『…』


終わったのか、後ろから抱きついてきた。
体を反転させ抱きしめる。


久「ごめんて」

『…庇ってくれてありがとう』

久「当たり前やん」


Aの頬を包み、目線を合わせる。


久「Aおらんなったら…」

『…久住さん』


こんな自分は見せたくなかった。
時々、Aがどこかに行くんじゃないか…
いつか俺の前からいなくなるんじゃないか…不安になる。

キスをして、再び抱きしめると体重をかけてベッドに倒した。


『…』

久「…」


互いに見つめ合いながらゆっくりと近づき
深く口付ける。何度も…。

自分の手の中にAが居る。
それを感じたくて、身体中に唇を這わせた。


『ん…っ、、久住さん…、っ』

久「…」

『久住さん』

久「ん」

『怪我してるから、、』

久「ええから」

『…』

久「ええから感じさせてや」

久「Aが居るって…俺のもんやって」

『…久住さん、好きです』

久「…」


一瞬驚いたが、頭を撫でながら軽くキスをした。


久「俺も好き」


Aの言う『好き』が、どんなものか……俺と同じだといい。


･








気がつけば、ほぼ毎回こんな感じですね…すみません。。


･

__24.→←__22.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す