【MIU404】 善 と 悪 - 善から悪へ -

__13.(ﾘｸｴｽﾄ) ページ14

◆Aside



久「A、でかけんで」

『今日は何処に行くんですか？』

久「この前、辰井組に行った時Aが待機しとったオフィス。ちょっと頼まれてんねん」


準備をして家を出ると、マンションの下にタクシーが一台。
それに乗り込んだ。


『頼まれごとってなんですか？』

久「ちょっと持ってきてほしいもんがあるって言われとるから」

『…』


そう言う久住さんはスマホ意外持ってきていない。

タクシーで15分程、オフィスに着いた。


久「あー、Aは待っててや」

『え？』


久住さんに続いてタクシーを降りようとしたら止められた。


久「すぐ戻ってくる。運転手さん、10分くらい待っててください」

「かしこまりました」

『…』


バタンとドアを閉めてオフィスに入っていった。

それから10分ちょっと経った頃、久住さんが建物から出てきた。


『あ、来た』


久住さんを見つけて顔が緩んでた時、彼の後ろからついてくるようにひとりの女の人が現れた。

久住さんとその女性は笑顔で仲良さそうに話していて女性が何度か彼にボディタッチをしていた。
別れ際、久住さんが女性の頭を撫でタクシーに戻ってきた。


久「おまたせ〜」

『…』


久住さんとは反対にフイッと顔を背けたが彼は気にしていない様子だった。


久「ほな、戻ってください」


運転手さんにそう伝えると、ニヤつきながらスマホをいじりだした。
その光景に小さくため息をつくが、やはり彼は気にしない。

そのまま自宅に戻った時、ようやく声をかけてきた。


久「A〜」

『…』


後ろからうなだれるようにギュッと抱きしめて来たが構わず部屋に向かう。


久「どないしたん？機嫌悪いん？」


抱きしめながら頭をポンポンとしてくる。
それに頭を振って拒否を示し抱きしめる腕から抜け出した。


久「…Aー？」

『寝ます』

久「え。まだ昼やん。昼飯は？」

『好きに食べてくださいっ』


少し強めに寝室の扉を締めるとベッドに潜った。


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