彼女の残した爪痕

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今日はおれへんのかな？
周りを見渡すがAの姿は無い・・・まっそう偶然がある訳無いわな。





横ちょに女性の心理が解って無いとダメ出しされた歌詞の手直しをする・・・あの人感覚で伝えるからむずいねんなぁ〜ほんまに




でも横ちょの壁を乗り越えたらめっちゃ良い曲出来るから不思議やわ(笑)




「大将同じのおかわり」




「あいよ」




「ありがとう」




「そうだ、こないだのAちゃん又入院してるらしいわ、身体弱いんだよなぁ」




「そうですかぁ・・・元気そうやったのに」




「普通の人なら大した事無くても、Aちゃんが風邪引くと大変らしいわ」




「又会えますよね」




「あぁ、いつも退院すると家の母ちゃんの料理食べに来るからな(笑)」




「早く元気になってくれたらええけど」




可哀想やなぁ・・・そんな病気かかえてんねんな。





あかんわ、頭ふらふらや・・・




「大将ごっそさまー又来まぁーす」




「章ちゃんいつもありがとうねー、おやすみぃ」




翌日は休みでスタッフさんが怪我で入院していると聞いたので、お見舞いに顔を出した。





「どうっすか？具合は？」




「わざわざ来てくれたんかぁ、ありがとうな」




「退院長引きそうっすか？」




「後二週間でギブス取れるから、その後リハビリやな・・・まぁ休暇やと思ってのんびり治すわ(笑)」




「無理せんとしっかり治して下さいねーじゃ、又現場で」





「安田君ありがとう」





さて、喫煙所無いかなぁ・・・屋上？まぁええか、行ってみよ




そこは庭園の様に整備されていて、一角にガラス張りの喫煙所があった・・・見晴らしも良いし、一服して帰るかな。




ぼぉーっと花壇に目をやると、花の手入れをしている女性が居た。患者さんかな？花好きなんやろなぁ・・・と眺めていると、こちらを向いた顔を見てお互い驚いた・・・Aや！




「ここに入院しとったんか？」





「章大さん？なんでこんな所に？」




「知り合いのお見舞いでな・・・具合どうやねん？」





「うん、毎度の事なんで(笑)」





「又あの店で会えるの楽しみにしとんねんから、早う元気になってな」




「あー、お母さんの煮魚恋しいなぁ・・・病院食薄味で美味しく無いの」




「そうやろなぁ、今度届けるわ、なっ？病室は？」




「412号室ですけど、大丈夫ですよ(笑)」





その日の晩女将さんにAの好きな料理を詰めてもらい、病院へ向かった

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