彼女の残した爪痕 (ページ1)

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Aと出会ったのは行き付けの居酒屋だった・・・

たまに考え事をしたり、無になってただお酒を楽しむだけに来る店で大将や女将さんが良い人で、俺の事を気遣って気さくに話し掛けてくれる、懐かしい様な凄く居心地の良い場所だ。

いつもの様に店の隅でパソコンを開いて曲の構成を練ったり作詞をしながら、チビチビ飲んでると、隣に座る女性が咳き込み始める。

「あっ！すんませんタバコ苦手ですか？」

「ごめんなさい、気にしないでくだ・・・ゴホゴホッ」

「大丈夫、もう吸わへんから、ごめんな」

「こちらこそ、すみません、お酒飲むと吸いたくなるんですよね？」

「無駄に火を付けてるだけやねんけど、落ち着くねんなぁ・・・君も吸ってたん？」

「はい、病気するまではかなりヘビーでしたから、気持ちは解ります(笑)」

タバコをきっかけにAを見かけたら話す様になった・・・ここには1人の時しか来ないから、彼女との普通の会話が心地よく、リラックス出来た

「あの・・・名前聞いてもええかな？」

「あっ、Aです、あなたは？」

「俺？章大、宜しくね」

「ここは良く来るんですか？」

「1人でのんびりしたい時になっ、普段は大勢で賑やかに飲みたいタイプやねんけど」

「そうなんですね、じゃお邪魔しちゃ悪いですね。おとなしく飲んどきます・・・」

「気にせんと話し掛けてや、一人やと飲みすぎてしまうから(笑)」

「はい、でも今日は帰ります。又会えたらいいですね」

じゃ、・・・又