桜の花の咲く頃 (ページ25)

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25話ページ25

それから間もなく、隆平が意識を取り戻した。

しかし、記憶が曖昧らしく、私の事も子供の事も解らない様だ・・・

そんな事って

信じられない・・・

ずっと側に居るから、大丈夫だから

そう隆平に伝えても、怯える様な顔でこちらを見ている。

何でこーなっちゃったの？

間もなくして隆平の父親が病院に現れた

自分のせいでこんな事になってしまって申し訳無いと頭を下げるばかり。

おとん？

そーやで、おとーちゃんやで！

泣きながら抱きあっている。

お父さんは解るの？隆平

なのに、私の事は解らないの？何故？

あの日から私は泣いてばかりだった

そんな時、隆平のお父さんから思わぬ提案をされる

隆平を連れて大阪へ帰ると言う

それはダメです。行くなら私も！

そう言うと、貴方はまだ若い、それに貴方を思い出す保証はありません。
住み馴れた大阪なら記憶が戻るかもしれない。
私の責任です。隆平が元に戻るまで支えてやるつもりです・・・と

私の話も聞かず、離婚届を送って来て隆平は突然退院して居なくなった・・・。

そんな・・・

私はどーしたら良いの？

暫くは虚無感で何も手につかなかったが、母親から子供の為にも一旦区切りを付けて、しっかりしなさい！と喝を入れられ、正気に戻った。

そうだ、私にはこの子が居る・・・しっかり育てなきゃ、隆平に合わせる顔が無いもん。

隆平の事を忘れる位必死で仕事をして、毎日目まぐるしい毎日を過ごしていた。

隆平からの連絡は無かった・・・。
でもきっと元気に頑張っているはず、そう思って私も頑張らなきゃ！