桜の花の咲く頃

14話 ページ14

あれからと言うもの、隆平はクラスの中で平気で私に声をかけてきた。

クラスの男子にもちゃんと彼女だと報告したらしい。

多少の冷やかしはあったものの、この二人ならと皆認めてくれたみたい。

このままずっと幸せが続くと信じて居た・・・
あんな事があるまでは



隆平と一緒に居る事が当たり前だったあの日
彼の口からこんな話が・・・


最近親父の具合が悪くて実はずっと入院してるんやけど、入院費もあるし俺学校行ってる場合じゃなくなってな・・・。

一応今学期で退学する事にしてん

そんな・・・

せやから今までの様に会われへんけど、ごめんやで。

何て言ったら良いのか？言葉が出て来ない・・・ごめん

仕事する様になるけど、遠くへ行く訳違うしな、あんま心配すんな！

頭をぽんぽんしながら抱きしめてくれた

お前が泣くなって！俺の方が辛いんやから


その冬隆平は学校から居なくなった・・・

もうあの屋上に行っても隆平の姿は無い。

私は毎日の様にLINEを送るけど、返事が帰って来るのは10回に1度・・・それも単語で一言二言

隆平は新しい環境で頑張ってるんだから、私も我慢しなくちゃ！寂しいとか言うの我儘だよね


年末になり、やっと隆平に会えるだろうと期待していたのも束の間

年末年始関係無く仕事やねん

えっ？少しでも無理？

俺も会いたいんやけど、働かなおとんの治療でけへんから、今は休み無く働いてんねん。

そうだよね・・・ごめん、頑張って。

ほしたら、又な！

あっけなく電話が切れる・・・

何でこんな事に、こんな気持ちのまま私は隆平を愛し続ける事が出来るのかな？


悶々としている時にクラスのみんなで初詣行こ
う！と誘われた。


どーせ予定も無いし行くかー。

重い腰を上げて待ち合わせの場所に向かうと、以前私に告白してきた安田君が居た。


早かったかな？みんなまだ来てないねー。


いや、誰も来ないよ。


ん？


だから俺だけだよ！


どーゆー事？


そーゆー事


ごめん、二人きりはまずいよー隆平に悪いし。


その隆平から頼まれたんだけど


何？何でそんな事？


隆平Aの事構ってやれないからって俺にAの事頼むって連絡してきたんだよ。


私は何も聞いてない、それに隆平がそんな事言う訳ないもん


俺Aの事諦めて無いから、ずっと好きだよ。


ごめん、とにかく今はごめん・・・


どー言う事？隆平が何でそんな事？私と別れたいの？もー解らないよー！何考えてるの？

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