妄想日和～短編集～ (ページ47)

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絆 (緑) ページ47

安田「なぁ大倉、最近顔色悪ない？飲みすぎちゃう？」

メンバーには本当の事は言えない・・・腰痛が悪化してヘルニアで手術が必要な事、最近やたらと貧血で薬が欠かせない事

「大丈夫やで、いつもとなぁんも変わらんよ」

安田「なら良いけど・・・無理すなよ」

もう酒でも飲まなきゃ痛みを抑えられなくなっている。身体に悪い事は解ってる。でもツアーが終わるまで、俺のワガママでファンの人に悲しい思いはさせたくない・・・2度とあの時の事を繰り返す訳にいかへんねん

マネージャーには病院から連絡が来た時にバレてもぉーたから、内緒にしてもらって何かの時にはこっそり病院に運んでもらっている。

横山「明日から最後の福岡やなぁー、リハも無事済んだし後は本番待つだけやで」

大倉「楽しみやなぁ、盛り上がろな！」

横山「大倉汗だくやんかぁ、ビールでも飲みに行こか？」

大倉「ごめん、ちょっと約束あんねん、又誘ってな」

横山「そーかぁ、ほな明日な、おつかれー」

横さんが見えなくなるのを確認して、俺は痛みからその場にうずくまりマネージャーの電話を鳴らすので精一杯だった

そのまま車で病院に運ばれ、痛み止めの点滴を打ってもらった。この時間だけはゆっくり眠れる・・・

マネージャーが呼ばれ、俺の病状と薬の副作用の話をされたらしい。

マネ「大倉さん先生からお話聞いて来ました。ドクターストップです。これ以上無理して神経傷つけたら歩けなくなるかもしれないと言われました。」

大倉「なぁ、頼むからこのツアーだけ乗り切らせてくれや、もう俺だけベッドの上なんて嫌やねん！」

マネ「でも先生がこの状態でダンスなんて無理だって・・・」

大倉「今日かて誰にもバレんとリハやり通したやろ？いけるって・・・なっ！頼むから・・・やらせて」

マネ「もう1度先生と相談してきます」

大倉「頼むな・・・」

そう告げると薬のせいか、又眠りに落ちる・・・目が覚めると朝になっていた。

マネ「目が覚めましたか？おはようございます」

大倉「で、どうやった？先生」

マネ「事務所とも相談して、とりあえずドクターにステージ裏で待機してもらう事を前提に許可が出ました。何かがあったらその時は覚悟して下さいね」

大倉「ありがとう、色々迷惑かけてごめんな」

マネ「プロ根性ですね、何とか福岡乗り切りましょー！」

大倉「頼もしいわ(笑)」