ペット(橙) ページ16
「布団で寝たの何年ぶりだろう・・・心から寝たって気がした、ありがとう」
「久しぶりて、普段どうやって寝てんねん」
「キッチンの小屋の中で丸くなって寝てる」
「お前帰ったらあかんて、彼氏ほんまもんのヤバい奴やで」
「でもご主人様に捨てられたら私生きて行けない頭と身体になってるの・・・」
「それで幸せなんか?」
「もう元に戻れないよ・・・人格も羞恥心も意思も全て無いんだもん、普通には生きれない」
「そんな事無いって!実家あるやろ?帰れって」
「実家の両親も表向きの彼に騙されてて、貴方に任せておいたら安心だわとか言ってるの、だからこんな私の姿見ても信じて貰えないと思う・・・」
「なんやねん、じゃ警察でも行くか?」
「ダメ!これ以上私に関わらないで、お兄さんも巻き込んじゃう」
「でも知り合ってもぉーたんやから、知らん顔でけへんて」
「理解してくれなくて良いよ、彼と私の関係なんて・・・」
「何年かぶりに人と話した・・・やっぱり私は人間だったんだね(笑)」
何で笑えんねん!なんでそんな男の所に戻るんや?なんで・・・
「じゃ、優しいお兄さんありがとうね」
「又追い出されたらいつでも来いよ、美味いコーヒー飲ましたるから」
「ありがとう・・・服返せないけど、ごめんね」
このまま返して又ペット生活に戻して良いんやろか?俺には想像でけへん世界なんやろな
何でこんなに気になるんや・・・
あの子を拾ったあのマンションの前を通る度に、今も小屋の中で裸で飼われているんだろうか?と思う事がある
彼女が幸せである事を祈る事しか出来ない・・・
又捨てられて無いかな・・・今度は俺が幸せにしたるのに。
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作者名:BLUE ako | 作成日時:2018年1月7日 0時