Wasabi(青) ページ13
深夜12時を過ぎた頃Aから着信がかかってきた、俺はベッドから転げ落ちる様に慌ててスマホを取った
「んー?どうしたぁ?」
「あのね、聞いてくれる?又あいつ浮気してるみたいなの」
始まった、又彼氏の愚痴や・・・いつでも聞いてやる言うたけど、ほんまはキツいんやで
「もうダメなのかな・・・」
「やめとけって、お前にはもっと良い奴おるって」
「章大は優しいね、今日は話聞いてくれてありがとう・・・おやすみ」
「おやすみ・・・」
Aはダメ男だと解ってるのに、彼氏と別れられない俺の女友達、毎回泣かされる度に俺に愚痴の電話をしてくる。
今日は飲みに行こうと誘われていつもの居酒屋へ向かった
「あれから彼氏とどうなってん」
「今回は許してあげることにしたの、頑張ってやり直してみる」
俺こんな話聞きたかった訳違うのに・・・
「そうか・・・」
「今日は私の奢り、じゃんじゃん飲んじゃって」
「ええって、俺が出すで」
「いつも話聞いてくれるお礼させてよ」
だいぶ良い感じに酔った所で、終電の時間ギリギリになった
「ほら、急がな乗り遅れるで」
Aの腕を取って走った・・・このまま連れ去りたい、彼氏の元なんて帰したくないねん
「駅こっち!」
「そやったな・・・」
帰りの電車で俺の肩に頭を乗せてきて・・・寝てる?
「私ね、章大と居ると安心出来るの、不思議だね」
それって、俺の事・・・少しは気持ちあるんか?って考えても良いんかな、でも彼とやり直すんやろ?もー何やねん、どうしたらええんや
「じゃ、私ここで・・・おやすみ」
「気ぃつけてな」
Aに会う度に、好きの気持ちが強くなる、俺の事友達以上に思って無いの解ってるのに、辛いな・・・
「ねぇ章大、彼の携帯が鳴ったから、チラッと見たらLINEで昨日は楽しかった、ありがとう、大好きって・・・もう本当に無理だよ・・・」
「辞めとけって言うたやん、もうあかんてAの心がボロボロになるわ」
「私どうしたら良い?」
俺にしとけ、好きやねん・・・そんな言葉が喉の奥まで出かけたのを飲み込んだ
今、このタイミングちゃうか?いやでも言ったらAどんな顔するやろ?色んな感情が溢れて来て思わず
「俺やったらA悲しませたりせーへんのにな」
泣き崩れるAを放っておけず、思わず肩を抱きしめた
「章大の優しさに甘えそうになるよ・・・」
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作者名:BLUE ako | 作成日時:2018年1月7日 0時