28話 ページ29
「でも、このままで良いのかい？」
長い長い時間をかけ、ようやく芽生えた恋心。
このまま水をやらず、枯れるのを待つだけだなんて勿体無い。
「……ううん。私、ルカに伝えたい。
今やっと、貴方に恋をしたんだって」
「そうだよね。そう言うと思ったよ。
頑張れ、君なら大丈夫」
ぽん、とイライの手が私の頭に置かれた。
手袋越しに伝わる温度、髪を梳くような優しい手つき。
その時、ふとルカに撫でてもらった時のことを思い出した。
もうしばらく撫でてもらって無いような気がする。
……あぁ私、またルカに撫でて欲しいなぁ。
「うん！ありがとう、イライ」
「ふふ、どういたしまして」
ーーーーーーー
さぁ今からルカに会いに行こう！
と意気込んでいた私は重要なことを忘れていた。
「お！今日のマップは赤の教会か〜。
みんな頑張ろうな！」
そう、今日は午後から試合だったのだ。
待機室で隣に座るウィリアムが白い歯を見せ、爽やかに笑う。
「救助は任せたよ！ボクは解読頑張るから！」
「ふたりが居ると頼もしいね！
ね、イソップ？」
「はぁ……」
今日のメンバーはウィリアム、トレイシー、イソップと私の4人だった。
解読、救助共にバランスの取れた良いチーム編成だと思う。
……皆でゲートから出られたら良いのだけど。
試合前の待ち時間は苦手だ。
どれだけ和気藹々としてようと、緊張せずにはいられない。
チェイス長引かせられるかな、救助失敗しないかな。
つい色々と考えてしまうし、不安になってしまう。
「Aもサポートと救助、頼んだぜ！」
「……うん！任せて！」
なんて言ってるけど、本当は怖くて怖くて仕方ない。
皆は私のこと勇敢だって言うけど、全然そんなことない。
まだ始まってすらいないのに、救助に行くあの瞬間が怖くてたまらない。
けれど怖いのは皆同じだ。私だけじゃない。
頑張らなきゃ。皆がいるのだから。
……この試合が終わったら真っ先にルカに会いに行こう。
皆でゲートから出て、偉いね、頑張ったねってルカに撫でてもらおう。
そして伝えたい。
私は今、ちゃんと貴方に恋をしているんだって。
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たまごさん(プロフ) - れみこさん» えっご存知でらした…?嬉しいです…。ビクターくんのほうもご覧になってくださっていて本当にありがとうございます…。れみこさんのビクターくんも見てきました、世界観がとても好きです。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2020年7月21日 17時) (
レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - たまごさんさん» たまごさんだ！！ありがとうございます！！私、たまごさんの書くルカ君好きです！可愛い！あとビクター君の遺書の作品は泣きました……。ありがとうございます！更新出来るときはガンガンしていきます！ (2020年7月19日 23時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - このルカくんも良きですね…。私もアラサー設定好きですよ。これからビクターくんのほうも見てこようと思います、応援してます。 (2020年7月19日 15時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうございます！！うおおそう言っていただけると嬉しいです…！！更新頑張っていきますね！！ (2020年7月19日 12時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ルカくんのお話増やしてくださってありがとうございます…！お兄ちゃんなルカくん、大人な格好いいルカくん…！好き過ぎてニヤニヤとトキメキが止まりません…(( 更新、楽しみにしております…！ (2020年7月19日 0時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れみこ | 作成日時：2020年5月28日 3時
