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2話 ページ3

「へ……?」


ルカの唖然とした表情を見て、

その時やっと自分が何を言ったのか理解した。



いきなり何を言ってるんだ私は……!!



ルカとこの荘園で過ごしていくうちに、「好き」という言葉を

私が彼に伝える日はいつか来ていただろう。



でも、それはきっと今日じゃない。



……確実に間違えた。



ルカからしたら初対面の人間に自分を覚えてないかと迫られ、

挙句の果てに告白されるなんて恐怖以外の何物でも無いだろう。


荘園に来たばかりでこれから忙しくなるであろう彼に

悩みの種を増やすような真似をしてしまったと、

申し訳なくなり罪悪感が胸にこみ上げてきた。




でも、もう後には引けないーー。




 「貴方は覚えてないかもしれないけど、

  私たちは……!!」


 「……分かった!

  分かったから、少し落ち着きたまえ」


ルカは宥めるように、私の両肩に手を置いた。


 「うん……ごめんなさい……」


 「いや……私の方こそ

  君を覚えていなくて、申し訳ない」


彼の言葉に、私は一時平静さを取り戻せた。



 「……っ」



だけど両肩に手袋越しの彼の体温が伝わってきて、

大好きな人のぬくもりに、心臓はうるさいくらいに鼓動していた。



 「私はここに来たばかりで、やらなければいけないことが多いんだ。

  だから、この話はまた今度にしてもいいかい?」


ルカは私の両肩から手を離すと、

かすかに首を傾げながらそう言った。



ーーまた今度。



今度、彼とまた話せる機会があるのかと思うと嬉しくなって、

思わず過剰に反応してしまった。


 「う、うん……!!また……!!」


 「……じゃあ、私は失礼するよ」


ルカは一瞬、目を見開いたが特に何か言う事はなく

廊下の奥の方へと姿を消していった。





 

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設定タグ:第五人格 , ルカ・バルサー , IdentityV   
作品ジャンル:恋愛
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たまごさん(プロフ) - れみこさん» えっご存知でらした…?嬉しいです…。ビクターくんのほうもご覧になってくださっていて本当にありがとうございます…。れみこさんのビクターくんも見てきました、世界観がとても好きです。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2020年7月21日 17時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - たまごさんさん» たまごさんだ!!ありがとうございます!!私、たまごさんの書くルカ君好きです!可愛い!あとビクター君の遺書の作品は泣きました……。ありがとうございます!更新出来るときはガンガンしていきます! (2020年7月19日 23時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - このルカくんも良きですね…。私もアラサー設定好きですよ。これからビクターくんのほうも見てこようと思います、応援してます。 (2020年7月19日 15時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
れみこ(プロフ) - 沙羅さん» コメントありがとうございます!!うおおそう言っていただけると嬉しいです…!!更新頑張っていきますね!! (2020年7月19日 12時) (レス) id: f32edadf87 (このIDを非表示/違反報告)
沙羅(プロフ) - ルカくんのお話増やしてくださってありがとうございます…!お兄ちゃんなルカくん、大人な格好いいルカくん…!好き過ぎてニヤニヤとトキメキが止まりません…(( 更新、楽しみにしております…! (2020年7月19日 0時) (レス) id: 3aa856ffa1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れみこ | 作成日時:2020年5月28日 3時

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