51 ページ5
.
警察が来た後、カンチョユンは身柄を拘束されAは念の為病院へと運ばれることになった。
僕の頭は、パンク寸前だった。
Aの病院について行って、Aが検診を受けている間答えも分からない問いを繰り返していた。
父さんの元婚約者がカンチョユンだったこと。
父さんは会社を大きくするためにカンチョユンを捨てた。
恋愛よりも仕事を選んだ。
つまり、父さんは僕の母さんを愛していなかったのか？
このことについてはカンチョユンは何も悪くない。
好きな人に捨てられたのが悲しかった。
愛している人に捨てられる気分は最低なものだろう。
まあ実害を加えるのは良くないが。
「ソクジナ」
病院のロビーに座っていると父さんが来ていた。
「…父さん、」
「婚約者のファン先生が危険な目に遭ったらしいな」
まだ婚約者ができたことを父に伝えていないのに既に知っているのは連日の僕の熱愛報道のせいだろう。
「…誰のせいだよ…」
いつもと変わらない落ち着いた様子になにかプツンと切れるような気がした。
「Aを襲ったのはカンチョユンだった…、父さんの元婚約者だろ？」
「…チョユン…？なんで、チョユンが、」
「自分を捨てた父さんが憎い、産まれてきた僕のことも憎い。愛していたのに。そう言ってたよ。父さんは母さんのこと愛してなかったんだな」
父のせいで僕の婚約者が苦しい思いをした。
状況で言うと、父は母のことを愛していなかった上に僕を産んだ。
その事が酷く腹立たしかった。
「…最初は政略結婚だったよ。でも確かに母さんを愛してる。もちろん産まれてきたお前もだ。
母さんと結婚しなかったらお前に出会えなかった。
だから愛してるよ。」
僕は母に会ったことがない。
だから2人が愛し合っていたことを知らない。
腹立たしいの他に悲しいという感情もあったかもしれない。
「…ソクジンさん？」
父と僕を交互に見て驚いた顔をするA。
「A…体は大丈夫なの？」
「えぇ。自宅で安静にするようにって。」
「そっか。じゃあ帰ろう。」
父を置いて、Aの肩を支えた。
今の僕には父の言葉を素直に聞き止める余裕がなかった。
父に対して歯向かったのはこれが初めてだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 268人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
彩心(プロフ) - るいさん» こんばんは。返信遅れてしまいすみません…大大スランプに陥ってしばらく小説から離れていました。そう言って頂けると本当に元気が出ます笑 頑張って続き書きますね(^-^) コメントありがとうございます！これからも見ていただけると嬉しいです(T_T) (2021年5月11日 1時) (
レス) id: 96b719c4dd (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - お話の雰囲気とても好きです！続きが気になります…！ (2021年4月14日 9時) (レス) id: d5dce8822e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：彩心 | 作成日時：2021年3月23日 20時
