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「婚約者ができたんだって？」
会社に着くと、担当のスタッフの方が開口一番にそう聞いてきた。
私が絵本作家としてデビューしてからお世話になっている方だ。
オンニ、と呼んでいる仲だ。
この人も連日の熱愛報道でその事実を知ったんだろう。
私が持ってきた原稿が入った封筒を開けながら私の答えを待っている。
「…はい、今は一緒に暮らしてるんです」
「ふ〜ん…まあ惚気けるのはいいんだけど。
原稿の誤字脱字が多すぎね。幸せボケかしら？」
そう言われて持ってきた原稿をもう一度自分で見ると確かにひと目でわかるほど色々な箇所で誤字脱字が見当たった。
締め切りまでに間に合いそうになくて急いで書いたからかな。
最後に自分でも確認し忘れていた。
「あ…すみません。書き直しましょうか？」
「ん〜…そんなに時間に余裕が無いし、分からないこともないから、校閲部に頼むわ。」
そう言って原稿を他の編集者に回した。
「どうやってあのEpiphany社の社長を捕まえたの。
眉目秀麗で紳士なあのキムソクジンって人を…」
「私の持ってるチケットが巡り合わせたみたいです」
私が大事にしている栞が何故かソクジンさんのポケットに入っていて、そのせいかまた会うことができた。
オンニは、目をぱちくりと瞬きさせた後呆れたようにため息をついた。
「私が担当してる作家さん、独特の価値観を持ってる人多いけどあなたがダントツね。」
「その独特な価値観を彼は理解してくれます。」
「そう。ならその社長も変わった人なのね。」
悪態をついた後、オンニは私の手を握っておめでとうと言ってくれた。
そう祝福してくれる周りの人にも感謝しないと。
原稿を提出したあとは特に仕事はなかった。
最近は図書館に読み聞かせも行けてないからそろそろ行かないとな。
「…あれ、どうやって帰るんだっけ」
ソクジンさんと一緒に住み始めてからいつもと道が違うからか迷うことが増えた。
早く、慣れないとね。
ソクジンが帰ってくる前に夜ご飯を作っておかないと。
今日は何にしようかな。
そう考えることが幸せで自然と笑みが零れた。
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彩心(プロフ) - るいさん» こんばんは。返信遅れてしまいすみません…大大スランプに陥ってしばらく小説から離れていました。そう言って頂けると本当に元気が出ます笑 頑張って続き書きますね(^-^) コメントありがとうございます！これからも見ていただけると嬉しいです(T_T) (2021年5月11日 1時) (
レス) id: 96b719c4dd (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - お話の雰囲気とても好きです！続きが気になります…！ (2021年4月14日 9時) (レス) id: d5dce8822e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩心 | 作成日時：2021年3月23日 20時
