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僕は母を知らない。
だけどきっと美しくて、強く心優しい人だったのだろう。
父さんのような人になりたくて勉強もよく頑張った。
初めからなにか才能があったわけではないけど、努力は良くしたつもりだった。
小さい頃は辛そうな顔もせず僕を育ててくれた。
束草市でAに出会ったのも父さんが休暇を取れと言ったからだ。
思い返せば、感謝すべきことばかりだ。
「ジン、愛している人と結婚しなさい。
そして"最も永く続く愛は報われない愛"だ。
愛している人に愛していると言えるうちに言うんだぞ」
父さんはそう言うと出口の方へ向かって歩いていた。
「父さん、ありがとう」
今まで育ててくれて。僕に大切なことを沢山教えてくれて。
これからは一人の女性を幸せにできるように頑張るよ。
「幸せになるんだぞ」
父さんはそう言って出ていった。
入れ代わりにナムジュンが入ってきて満足そうに笑っている。
「仲直りしたんですね」
「うるさいなぁ。ずっと聞いてたんだろ」
「聞いたのではなくて聴こえてきたんです」
結局聞いてたんじゃないか。
腹立たしいナムジュンに、呆れた溜息をつく。
「はぁ…会社に戻ろう」
はい、と短く返事をするナムジュンと一緒に図書館を出た。
でも何故か足取りは軽かった。
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図書館のモデル: 天津濱海図書館(中国)
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彩心(プロフ) - るいさん» こんばんは。返信遅れてしまいすみません…大大スランプに陥ってしばらく小説から離れていました。そう言って頂けると本当に元気が出ます笑 頑張って続き書きますね(^-^) コメントありがとうございます！これからも見ていただけると嬉しいです(T_T) (2021年5月11日 1時) (
レス) id: 96b719c4dd (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - お話の雰囲気とても好きです！続きが気になります…！ (2021年4月14日 9時) (レス) id: d5dce8822e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彩心 | 作成日時：2021年3月23日 20時
