捻れた世界の悪魔執事 Ⅳ (ページ5)

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〜サルディス家〜

こんこん、と、ノック音が鳴る。

ﾌﾌﾞｷ｢入れ…｣

入ってきたのは、黒い髪を短く切った男。

左目は隠れていて、黒と赤の着物を着ている。

右側は肩から露出しており、とても筋肉がついていて逞しい。

ﾕｰﾊﾝ｢失礼します｣

ﾌﾌﾞｷ｢ユーハン…何か用か?｣

ﾕｰﾊﾝ｢フブキ様……………、
この作戦は、フブキ様の御命令でしょうか?｣

ﾌﾌﾞｷ｢この作戦とは、何のことだ?｣

ﾕｰﾊﾝ｢…サルディス家の部隊が行方不明ということにして、
悪魔執事を誘い出し、黒蛇の団に襲わせたことです｣

フブキは、そんなことか、というような顔をする。

ﾌﾌﾞｷ｢わたしの発案ではないが、許可はしたな｣

実は、その作戦というものに、ユーハンも騙されたのだ。

ﾌﾌﾞｷ｢ダメだぞ…、軍人ならもっと疑い深くなれ｣

ﾕｰﾊﾝ｢い、いま、そんなこと、聞きたくありません。

ﾌﾌﾞｷ｢ん? どうした? 怒ってるのか?｣

ﾕｰﾊﾝ｢このような蛮行…、サルディス家のすることですか?
わたしは恥ずかしいです。サルディス家の軍人として…。
それに、あの執事は、まだ年端も行かない少女でした。
あのようなこの命が奪われると考えると……………｣