【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う7 (ページ9)

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第5話【遠征へ行く執事】ページ9

《A視点》

帰ってきた時、1番に出迎えてくれたのはスピカだった。
ものすごく焦りながら私に話をした。

“ノーヴァが倒れた”

嫌な汗が頬に伝わる。
私は急いでノーヴァのいる医務室へルカスと向かった。

「…ノーヴァ」
ﾉｰｳﾞｧ「……」

そこには、眠っているノーヴァがいた。
目元が少し赤く腫れている。
泣いたのかな…。

ﾙｶｽ「…彼の過去は、雪に関係するのかもしれませんね。」
「……雪？」

ノーヴァは雪と鏡を見ると苦しむことが多々ある。
本人は「ちょっとしたこと」と話を逸らすが、それはトラウマからのものだと判定できる。

ﾙｶｽ「ノーヴァくんに関して何か知っていることは？」
ｽﾋﾟｶ「すみません…こいつが話さないのでなんとも言えません。」

私もスピカ同様に首を横に振る。
ノーヴァ…。

ﾉｰｳﾞｧ「そんな顔しないでよ。可愛い顔が台無しだよ？」
「……起きてたの？」
ﾉｰｳﾞｧ「お嬢が来るちょっと前。」

ノーヴァは笑みを浮かべ、起き上がる。

ﾉｰｳﾞｧ「スピカが運んでくれたんだろ？サンキュー。」
ｽﾋﾟｶ「もう、大丈夫なんですか？」
ﾉｰｳﾞｧ「もう大丈夫、お嬢のおかげで吹っ飛んだ。……心配かけてごめんな。」

ノーヴァは私の頭を優しく撫でる。
…よかった。

ﾉｰｳﾞｧ「悲しい顔しないでくれよ〜。オレのこと好きなの？」
「はっ？」
ﾉｰｳﾞｧ「おっと急に怖い」

まぁ、冗談が言えるほど元気になったってことかな。
それならいいけど。

ｽﾋﾟｶ「…今度、話せよ。」
ﾉｰｳﾞｧ「勿論。」

これで一安心…なのか？

＊＊＊

その後、ベリアンとハウレスから遠征について話を聞いた。

行くメンバーは、

ベリアン、ハウレス、ボスキ、ルカス、ラト、ミヤジ、ヴェルス、リンダが行くことになった。

そして私とムー、スピカも行く。
ノーヴァは休養を取らせたいから連れて行かない。