【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う7 (ページ30)

今日:16 hit、昨日:3 hit、合計:1,930 hit

第1話【魔女の占い】ページ30

？「……。」

ﾍﾞﾘｱﾝ「どうぞ、主様。」
ｽﾋﾟｶ「滑らないよう気をつけてください。」
「ありがとう、2人とも。」

あ、あそこにいるのは……。

“なるほど…。それは辛い運命を背負いましたね。”

“いつになるかは分かりませんが…。その時が来たら、あなたが自分を乗り越えられればいいですね。”

初めて街に来た時に出会った女性だ。

？「予定よりも早かったですね、ベリアン。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「はい。道中、順調でしたので。」

ﾑｰ「どうやらベリアンさんはお知り合いのようですね。」
ｽﾋﾟｶ「そうみたいですね…。」

？「こちらの方が…？」
ﾍﾞﾘｱﾝ「はい、そうです。私達の主様…A様です。」

ｴﾗｳﾞｨﾗ「なるほど…なるほど…。初めまして…悪魔執事の主様。私は魔女族のエラヴィラと申します。」

そういえば、1000年前にも私達の世界には魔女族がいたらしい。
でも、とある大厄災の主犯が魔女族の長だったことから全員処刑になってしまったらしいけど…。

「どうも、エラヴィラさん。」
ﾑｰ「以前、街で見かけたことがあります！」

ｴﾗｳﾞｨﾗ「おや？しゃべる猫？あなたは誰かの使い魔なの？」
ﾑｰ「えっ！？使い魔？」
ｴﾗｳﾞｨﾗ「だって、猫なのに喋ってらっしゃるから…。」
ｽﾋﾟｶ「街で会った時もこのような会話でしたよね…。」

ﾍﾞﾘｱﾝ「主様、少しご説明いたします。古の塔はここからさらに北方の雪山の麓にありますが…。実はここからは魔女族の領地なのです。」
「そうなの…。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「入るには魔女族の許可が必要です。今回は事前に伝達済みで、許可も頂いてます。」
「それならよかった。」

ｴﾗｳﾞｨﾗ「ここは私達の土地へ続く関所です。それにしても…。」

そう言うとエラヴィラさんは私に歩み寄った。

ｴﾗｳﾞｨﾗ「執事の悪魔化を止めたと聞きましたけど…。本当に…あなたがやったのですか？」
「えっと…」
ｽﾋﾟｶ「はい。私もこの目で見ましたから。」

……スピカ…勝手に話さないで。

ｴﾗｳﾞｨﾗ「少し手を見せてください。」
「？……はい。」

ｴﾗｳﾞｨﾗ「ふむ…なるほど…なるほど…。さて、長旅疲れたでしょう。」
「え…まぁ。」
ｴﾗｳﾞｨﾗ「ここで休憩して行ってください。」

何故、手を見たのだろうか。