【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う7 (ページ26)

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ｽﾋﾟｶ「ネブラは面倒見がよく、私に勉強や運動、その他にもたくさんのものを教えてくれました。」

大人『今日は、月に一度の麓の街からの配給だ。味わって食べるんだぞ。』

ｽﾋﾟｶ「私が来て初めて口にしたものは、みんな大好きなアレでした。」

ｽﾋﾟｶ『このねっとりしてるものは？』
ﾈﾌﾞﾗ『アイスだよ！！……あんま美味しくないけど。これ完食しないと怒られ、る』

ｽﾋﾟｶ「それを食べた瞬間、涙が溢れて止まりませんでした。」

ﾈﾌﾞﾗ『おい！？大丈夫か！！』
ｽﾋﾟｶ『こんなに美味いもの……初めて食べた。』
ﾈﾌﾞﾗ『うぇ？……今までどんなもの食ってたんだよ？』
ｽﾋﾟｶ『ゴミ漁ってた。』
ﾈﾌﾞﾗ『……俺の分も食えよ。俺は半分食ったし、熱いものの方が好きだし。』

ｽﾋﾟｶ「彼と食べる食事はどれも美味しかった。……でも、幸せはすぐに崩壊するもの。そうなってしまったのは、私が12歳の頃でした。」

＊＊＊

院長『経費が盗まれてしまった。……もしもこの中に犯人がいるなら、覚悟しておけ。』

ｽﾋﾟｶ「私はそんなことに興味はありませんでした。なんせ、自分はそんな愚かなことをしなかったから。……でも、」

ｽﾋﾟｶ『ネブラと本を読もう。この挿絵すごく綺麗なんだよなぁ。』
子供『あっ！！スピカ！！その封筒！！』
ｽﾋﾟｶ『え？』

ｽﾋﾟｶ「私がお気に入りの本の、お気に入りのページを見てみるとそこには銀河のしおり……ではなく、茶色く少し分厚い封筒でした。」

子供『うわ！！それ院長が言ってた経費じゃん！！』
子供『やらかしたな！！』
子供『うわ！！あいつ死ぬんじゃね？笑』

ｽﾋﾟｶ「私は、怖くて怖くて堪りませんでした。すると、後ろから笑みを浮かべながらネブラがやってきました。」

ﾈﾌﾞﾗ『ごめんごめん、それ俺がやったんだよね。』

ｽﾋﾟｶ「その言葉を聞いた瞬間に、背筋が凍りました。」