【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う7 (ページ25)

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【星の騎士の絶望】ページ25

ｽﾋﾟｶ「私は、望まれぬ子供だったのです。」

そこには、幼児がいた。
毛先が水色の白い髪を持つ不思議な子。

閉じた瞳が開く。
その瞳は、星空のように美しい青色。

これが、スピカの幼少期、か。

ｽﾋﾟｶ「血の繋がった両親は、私が産まれてすぐに失踪してしまいました。私は両親の知り合いに引き取られました。ですが……愛情なんて貰えませんでした。」

男性『さっさと失せろ！！』
ｽﾋﾟｶ『うっ……』
男性『この出来損ないが！！』
ｽﾋﾟｶ『……』

ｽﾋﾟｶ「この男は、妹が流産されてしまった。だから、もし私が女として産まれたのならきっと少しは愛を貰えていたかもしれません。」

男性『今日の分だ。』
女性『ありがとう♡』

ｽﾋﾟｶ「この男は、風俗店で出会った女に恋をしました。一緒にいるために、金銭を払って家によく招きました。……ある日、私の惨めな毎日にひびが入りました。」

男性『行くな！！』
女性『離してよ！！』
男性『なら、お前を！！』
女性『えっ、それで何を……キャァァァァァァァァァァァァァァァァ！！』

ｽﾋﾟｶ「ついに男は金銭を失い、女性に見放されようとしました。ですが、それが耐えられないと思った男はその女を刺し殺しました。

その後、男は捕まり、私は孤児院に引き取られました。」

＊＊＊

ｽﾋﾟｶ「私は、孤児院の子供から仲間はずれにされました。私は死ぬまで独りぼっち……だと思ってました。ですが、“彼”は私に声をかけてくれた。」

？『おーい。』
ｽﾋﾟｶ『……』
？『青白い髪の新人！！』
ｽﾋﾟｶ『なんだよ？』

？『うわっ、口悪…、』
ｽﾋﾟｶ『？』

ｽﾋﾟｶ「私は、男からの暴言を浴びることが日常茶飯事になってしまったせいで、自分の口調の善悪を知ることが出来ませんでした。」

？『もしかして、名前ない？』
ｽﾋﾟｶ『……。』
？『なら、俺が考えてやるよ！！』
ｽﾋﾟｶ『は？勝手に決めつけんなよ……』

？『うーん……あっ！スピカとかどう？
お前の髪星みたいに綺麗だし、目だってまさに星空って感じ！！』
ｽﾋﾟｶ『馬鹿馬鹿しい……』

ﾈﾌﾞﾗ『あっ！俺はネブラ！！因みにこの名前は俺がつけたんだ。カッケェーだろ！！』
ｽﾋﾟｶ『だっさ……』
ﾈﾌﾞﾗ『えぇっ！？』

ｽﾋﾟｶ「これが、彼との出会いだったんです。」