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馬車で移動していると、突然大きく揺れる。
ムー「うわっ!」
「!!」
スピカ「お嬢様!ムーさん!」
スピカが慌てて私とムーを受け止める。
ベリアン「主様、大丈夫ですか?ここらへんは道が凹凸していますね。」
「大丈夫。スピカもありがとう。」
スピカ「いえ。……あっ、そうだ。お嬢様、少し失礼します。」
スピカはそう言うと、
……私を膝の上に乗せた。
「「「「「「「!?」」」」」」」
「「???」」
周りは混乱している。
……ラトは何故周りが驚いているのか理解していない顔をしている。
ラト「何故、皆さん驚いてるんですか?リンダ。」
リンダ「えぇっ!?……えっと……。」
リンダはどう説明すれば良いかわからず困惑している。
「スピカ……まさか子供扱いしてないわよね?」
スピカ「まさか!!ノーヴァじゃあるまいし……。これなら揺れても大丈夫でしょう?」
優しく微笑むスピカを見て少し戸惑う。
ルカス「スピカくん……意外に大胆だね。」
スピカ「???」
ベル「あらら……無自覚なのねぇ。」
ルカスとベルが不適な笑みを浮かべながらスピカを見ていると、突然言い出す。
スピカ「……あの、ちょっと良いですか……?」
ヴェルス「どうしたんだ?」
スピカ「……私の過去について、お話ししてもよろしいでしょうか?」
スピカの言葉に、驚きが隠せない。
今までは、私が聞いてもスピカがはぶらかして聞けなかった。
「……是非話して。スピカがいいなら。」
スピカ「はい……。ムネモシュネ、皆様に過去を……私の悲痛な思い出を……。」
『……わかった。』
何もない空間から、スピカの能力である『ムネモシュネ』が現れて指を鳴らす。
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作者名:月夜 | 作成日時:2024年2月3日 18時