【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う6 (ページ2)

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第33話【強い刺激】ページ2

《A視点》

ﾊﾞｽﾃｨﾝ「俺のせいでジェシカが犠牲になってしまった…。俺がもっと強ければ、あいつは俺を庇わずに済んだんだ。そして、最期も…俺の手で…。」

ｽﾋﾟｶ「バスティンさんの…声…？」

ﾊﾞｽﾃｨﾝ「俺は…もう仲間を失いたくない…。あんな苦しい絶望を味わうくらいなら…。仲間なんていない方がいい…。」
ｽﾋﾟｶ「だから、仲間との協力を拒んでいたんですね…。」
「絆を失うのが怖いから…。」

ﾊﾞｽﾃｨﾝ「俺と関われば…みんな傷ついてしまう…。それなら、俺は1人でいい。俺は、怖いんだ…。また自分の弱さで…。大事な仲間を失ってしまうんじゃないかって…。もう誰も犠牲にしたくない…。」
ｽﾋﾟｶ「……。」

ﾊﾞｽﾃｨﾝ「俺が弱いせいで…。仲間が犠牲になるのは、もう見たくないんだ。」
「もうこれ以上、自分を責めないで！！」

次の瞬間、暗い影がバスティンの身体を覆い始めた。

ﾊﾞｽﾃｨﾝ「俺は…もう…ここで…終わりでいい…。」

声が、届かない。どうすれば…。

黒猫「彼は今、心を閉ざしている…。だから強い刺激が必要。彼が反応しやすそうな強い刺激。何か…心当たりがある？」

「強い刺激…？バスティンが反応しやすい強い刺激…。」
ｽﾋﾟｶ「バスティンさんが反応しやすいものですか？それなら、ロノさんとかじゃないですか？」
「！！確かに。」

なら…！！

＊＊＊

「ロノ！こっちに来て！」
ﾛﾉ「うわっ！びっくりした！」
「バスティンに手を当てて！」
ﾛﾉ「え、何のために…。」

「いいから！早く！！」
ﾛﾉ「わ、分かりました！」

ロノが手を当てたことを確認し、また私は手を当てる。

＊＊＊

ﾛﾉ「これは一体どういう状況なんだ？」
ｽﾋﾟｶ「うわっ！ビックリした…。」

突然現れたロノにスピカは驚いた。
でも、今はそれどころじゃない…。

「詳しいことはあと！今は時間がない！」

私は、バスティンを指差す。

ﾛﾉ「あの影に覆われているのが…。バスティン？」
「一緒に、大きな声で呼びかけて！！」

ﾛﾉ「あっ…はい！おい！バスティン！目を覚ませ！こんなところで死んだら許さねぇぞ！」