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1時間が経って…。
ﾍﾞﾘｱﾝ「さぁ、つきました。こちらが感謝祭の会場でございます。」
まだ朝なのに結構な量の人がいた。
「結構賑やかだね…前来たときと雰囲気が違う。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「そういえば以前…主様は舞踏会の買い出しでエスポワールの街に来たことがあったんでしたね。」
「うん。」
ﾑｰ「屋台のいい匂い！それに軽やかな音楽！お祭りってワクワクしますね！」
ﾍﾞﾘｱﾝ「そうだ。主様、あちらの石像をご覧ください。」
私はベリアンに言われて石像を見る。
ﾍﾞﾘｱﾝ「あの石像が感謝祭で祀られている御神体『ゴエティア様』でございます。」
「…ゴエティア？」
あれ…どこかで聞いたことのある名前だ。
誰かに教えてもらったんだっけ…。
ﾍﾞﾘｱﾝ「この感謝祭も、ゴエティア様への感謝を込めたお祭りなんですよ。」
ﾑｰ「へぇ〜。街全体でお祭りを開くなんて、ゴエティア様はすごい人なんですね！」
確かに…この街を作った人とかなのかな。
ﾑｰ「ちなみに、ゴエティア様はいったい何をした人なんですか？」
ﾍﾞﾘｱﾝ「うーん…申し訳ありません。実のところ、あまり詳しいことは分かっていないのです。」
ﾑｰ「そ、そうなんですね。」
「ていうことは…街の住人たちはこのゴエティア様っていう人物に感謝する理由を知らずに感謝祭を開いているの？」
ﾍﾞﾘｱﾝ「ウフフフッ…お祭りとはそういうものですよ。」
そうなのかな…日本の祭りとかも？
…日本やこの世界についてはまだよくわからない。
ﾍﾞﾘｱﾝ「寂しい話ですが…みなさん、楽しければ何でもいいのかもしれませんね。」
ﾑｰ「うーん…なるほど。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「せっかくのお祭りですから、とにかく楽しむことが大事だと思いますよ。」
ﾑｰ「はい！そうします！」
「……。」
なんだか…怪しいな。
ﾑｰ「…くんくん！くんくんくん！向こうから美味しそうな匂いがします！」
ﾍﾞﾘｱﾝ「早速ムーちゃんは食べ物に気を取られていますね。」
「…そういえば、他の執事たちはどこにいるのかな。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「えっと、この辺りにいるはずですが…。」
ベリアンは周りを見渡す。
ﾍﾞﾘｱﾝ「あっ、あれは…。」
ベリアンが向いている方を見てみると…
ﾛﾉ「ほ〜ら！いらっしゃ〜い！ロノお手製のベリーパイはいかが〜！」
ﾉｰｳﾞｧ「美味いよ美味いよぉ〜！さぁさ、買ってらっしゃい！」
ﾑｰ「あれは！ロノさんとノーヴァさんです！」
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作者名：月夜 | 作成日時：2023年12月9日 22時
