第1話【感謝祭の朝】 ページ9
私は昨日倒れてしまっていたらしい。
…覚えていない。
何があったか思い出そうとしていると扉をノックする音が聞こえる。
ベリアン「おはようございます、主様。」
「おはよう、ベリアン。」
ムー「ベリアンさん!おはようございます!」
ベリアン「ムーちゃんも、おはようございます。」
…いつもならノーヴァとスピカもこのタイミングで来るのに今日はいない。
ベリアン「主様。今朝のお紅茶をお持ちいたしました。本日は、渋みも少なく飲みやすいディンブラのミルクティでございます。」
「ありがとう。」
私はベリアンからミルクティをもらう。
ベリアン「主様、昨晩は大丈夫でしたか?」
「うん、どこにも異常はないよ。」
ベリアン「そうですか…それはよかったです。」
ベリアンは微笑む。
そういえばこの微笑み方…誰かに似ているな。
ベリアン「ところで主様。本日、エスポワールの街で年に一度の感謝祭が開かれております。」
ムー「へ〜!お祭りですか!なんだかワクワクしますね!」
ベリアン「執事たちは感謝祭で街の方々をもてなさなければならないので、本日屋敷はもぬけの殻でございます。」
「…もはや悪魔執事は何でも屋みたいだね。」
ベリアン「もう毎年のことですから、慣れてしまいました。しかし、ご安心ください。主様のお手伝いの質は落としませんので。」
「私のことは後回しでいいからね。」
本当に休んでほしいからな…。
ベリアン「優しいお心遣い、大変嬉しく存じます。…というわけで主様。今日は年に一度の感謝祭。主様も、ぜひ参加されてはどうでしょうか?」
「私も?」
ベリアン「感謝祭には、私たちを悪く思っている街の住人は参加しておりません。なので、安心して街を見て回れると思いますよ。」
…前みたいなことは起きないか…?
「…それなら、ぜひ行ってみたいな。」
ベリアン「かしこまりました。それでは早速お出かけの準備をいたしましょう。」
ムー「感謝祭ですか!どんなお祭りなんでしょう〜。美味しい料理やお菓子もあるんですか?」
ベリアン「ムーちゃんは本当に食べることが好きなんですね。」
ムー「僕は育ち盛りですから!」
ベリアン「お洋服が入らなくなるとフルーレくんに怒られちゃいますよ。」
ムー「大丈夫です!その分、運動もちゃんとしますから!」
ベリアン「食べ過ぎないように注意しましょうね。」
そして、私たちは準備をして街へと向かった。
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作者名:月夜 | 作成日時:2023年12月9日 22時