【悪魔執事と黒い猫】月の愛し子は悪魔執事を救う4 (ページ8)

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第28話【天使の意思】ページ8

※第28話【一件落着】はカットします。

《ノーヴァ視点》

数時間が経って、オレは無事にデビルパレスへに帰ることができた。

お嬢はひとまず異常なところはなかったから、医務室で眠ってる。スピカが様子を見ている。

ﾍﾞﾘｱﾝ「なるほど…天使が群れで行動し、ゼパルさんの遺体を持ち去った、と…。」
ﾙｶｽ「あぁ…変だとは思わないかい？」
ﾍﾞﾘｱﾝ「確かに変ですね。私が知る限り、天使がそんな行動をとることなんて今まで一度もありませんでした。」

やっぱし新種の天使とか？

ﾊｳﾚｽ「今回戦った天使たちは、ゼパルさんの遺体を手に入れた途端すぐに引き上げていきました。つまり、天使たちの目的は『ゼパルさんの遺体』だったということ…。」

ﾌﾙｰﾚ「あいつら、いったいゼパルさんの遺体で何をするつもりなんだ…。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「それは、何とも言えませんね。天使たちについては、まだわからないことも多いですし…。」

…こっちの世界の天使って明確に坊ちゃんとは違う。

確かにこっちの世界みたいな天使なら虐げられても仕方ない…だけど、坊ちゃんみたいな善意な天使を虐げるのはやっぱりおかしいな。

ﾍﾞﾘｱﾝ「私たちのこれまでの認識では…、

天使は『人を襲う』という目的のために動く…いわば、意思のない機械のような存在だと思っていました。

しかし今回の天使たちは『人を襲う』のではなく、『ゼパルさんの遺体を奪う』という目的で動いていた。」

ﾊｳﾚｽ「つまり…天使たちが意思を持ったとでもいうのでしょうか。」
ﾍﾞﾘｱﾝ「確証はありませんが…。」
ﾊｳﾚｽ「もしそうなら、かなり厄介ですね。」

ﾍﾞﾘｱﾝ「まぁ、これはあくまで仮説でしかありません。天使については、まだ不明な点が多いです。これから天使と戦う場面では、より注意して臨みましょう。」

ﾙｶｽ「そうだね。」

ﾍﾞﾘｱﾝ「さて、この話はここまでにしましょう。」
「それもそうだな…。」

その後、オレはお嬢の様子を見ようとしたがやめた。
もしも…まだあのような姿だって考えると震えが止まらない。

《スピカ視点》

ﾙﾅ「……。」

「お嬢様…。」

お嬢様はまるで永遠の眠りについたかのように眠っています。

触れれば壊れてしまう、ガラス細工のように…。

それにしても、あの時の姿はまさに“あの方”…。

「どうして…いなくなってしまったんですか。」

私は1人で泣くしかなかった。

こんな無力な自分が嫌いです。