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ミヤジ「この小瓶はなんだ?」
ルカス「ラトくんの発作が出たときのために薬を調合したんだ。これで少しは症状が落ち着くと思うよ。」
ミヤジ「成分は何が入っている?」
ルカス「はぁ…もう少し信頼してもらいたいな。別に害のあるものは入ってないよ。ラトくんを助けてあげたい気持ちは私も同じだからね。」
ミヤジ「……。」
ルカスはいつものような笑みをせず、真剣な表情で言う。そしてミヤジは黙っている。
ルカス「ミヤジ…このまま発作に苦しみ続けては、ラトくんの体がもたない。それは、キミもわかってるはずだろう?」
ミヤジ「それは…。」
ルカス「それじゃあ、私はもう行くよ。その薬を使うかは…ミヤジ、キミに任せる。」
ルカスは小瓶を置き、部屋を出ていく。
ミヤジ「ルカス…。」
***
《not視点》
ルカスが部屋から出ると、壁の隅の方に寄りかかっているリンダがいた。
ルカス「リンダくん、そんなところにいたら風邪を…。」
リンダ「……。」
ルカス「…寝ている?」
リンダは考え事をしている内に眠ってしまったのだ。リンダは小さな寝言を言っている。
リンダ「……ラト…兄…さん……フルーレ…兄さん……ミヤジ……先生……。」
同じ部屋所属のラト、フルーレ、ミヤジの名を呼んでいる。
ルカスは寝言かと思い、ゆっくりとリンダのことを抱える。
ルカス「ここでは風邪を引いてしまうからね…しょうがない、リンダくんには悪いけど3階の執事室で眠ってもらうか。」
ルカスはそっと歩き出す。
そしてリンダはまた寝言をいう。
リンダ「…うっ…______様…。」
ルカス「!」
リンダは苦しそうな表情をしている。
ルカスもその名を聞いて、心の中がぐちゃぐちゃになる。
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作者名:月夜 | 作成日時:2023年12月9日 22時