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《リンダ視点》
ラト「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
扉越しに聞こえるラト兄さんの声…何かが破れる音…。
ラト「ああああああああああああ!!」
これだから満月の日は大嫌いなんだ…ラト兄さんの苦しむ声を聞きたくない…。
ミヤジ「落ち着くんだ…ラトくん。」
ラト「はぁ…はぁ…くるな!くるな!もう…これ以上は…やめて!僕が何をしたっていうんだよ!」
ミヤジ「大丈夫。ここにキミを傷つけるような人はいないよ。」
ラト「嘘だ嘘だ!また、あの痛いのするんでしょう?」
ミヤジ「そんなことはしない。私は何もキミを傷つけるものは持っていないよ。ほら…両手に何も持っていないだろ?」
ラト「近寄るな!それ以上、近寄るとお前の喉を噛みちぎってやる!」
ミヤジ「ラトくん…。」
ラト「うっ…うっ…うっ…なんで…なんで…痛くて痛くてずっと助けを求めているのに…どうして誰も、僕のことを助けてくれないの?」
「ラト…兄さ…。」
ルカス「リンダくん。」
ラト兄さんが心配で部屋に入ろうとしたとき、ルカスさんに止められる。
「ルカス…さん。」
ルカス「ここは私に任せて、キミは離れるんだ。今部屋に入ったら、何があるかわからないから。」
「は…い。」
しょうがない…ボクは何もできないんだから。
…どうしよう。
「ねぇ…なんでボクを置いていったの?…ボク、貴方がいないと…何もできないのに…。」
ボクは無力だから、泣くことしかできない。
そんな自分も大嫌い。
***
《not視点》
ミヤジ「私がいる。どんなことがあっても私はキミを傷つけないし、キミを裏切ったりしない。」
ラト「うっ…うっ…。」
ミヤジ「ラトくん…。」
ミヤジはラトにそう言うことしかできなかった。
何故彼がそこまで追い詰められ、苦しんでいるかを理解したかった。
そんなとき、ドアをノックする音が聞こえる。
ミヤジ「誰だ?今はラトくんがかなり凶暴だ。部屋には入らないほうがいい。」
ミヤジがそう言うも、部屋に入ってきたのはルカスだった。
ルカス「これは大変だね。」
ミヤジ「ルカス、何しに来た?」
ラト「こっちに近づくな!僕に近寄るな!」
ルカス「落ち着いて、ラトくん。キミに、これを持ってきたんだよ。」
ルカスが持っているのは何かの液体が入った小瓶だった。
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作者名:月夜 | 作成日時:2023年12月9日 22時